モヤる「宝塚問題」ジャニーズとの決定的な差 大相撲や歌舞伎と似た「ムラ社会」がたどる道

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ジャニーズ問題でメディアやスポンサーが手のひらを返した最大の理由が、その多くが上場企業であり、ガバナンスルールに抗うことができないという事情にあります。人権を踏みにじるような愚行は、グローバルなビジネスをする企業体として容認できないという事情が、ジャニーズ問題について当初は予想しなかったような展開を生んだわけです。

一方の宝塚歌劇団は、ジャニーズよりも歌舞伎や大相撲と同質の構造です。宝塚歌劇団の親会社は阪急グループという大企業ですし、NHKでも中継されています。その点は上場企業の松竹と縁が深い歌舞伎界も同じで、親会社はないけれどもNHKに依存しているという点では、大相撲にも何らかの監視装置は付いています。

要するに監視装置はあれど、ビジネスとしては完結していて、外圧に関係なく成立するというのがこの3つの事業体の共通構造です。

事件の多くは「コップの中の嵐」

宝塚歌劇団と同様に、歌舞伎界や大相撲にも、いじめやパワハラは公式にはほとんどありません。たまに何かが事件化しますが、多くの場合はコップの中の嵐が起きて終わりです。

宝塚も歌舞伎も大相撲も、一部の圧倒的なファンたちに支えられていて、彼ら彼女たちが推しつづける限りはビジネスとしての前提は影響を受けないのです。外部の一般人にもやもやが残っても、あくまで部外者に過ぎない。そういうことなのです。

もちろん程度問題で、本当に大事件が起きることもあります。大相撲では2007年に時津風部屋で新弟子がリンチ死する事件が起きました。この事件では死亡した新弟子に多数の外傷があり、救急車で搬送した消防本部は「不審死の疑いがある」と通報したのですが、病院の医師と地元警察が心不全で処理しようとしました。

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