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モヤる「宝塚問題」ジャニーズとの決定的な差 大相撲や歌舞伎と似た「ムラ社会」がたどる道

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  • 鈴木 貴博 経済評論家、百年コンサルティング代表
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大相撲好きのいわゆる好角家は、どれほど周囲から雑音が入っても「それでもやはり大相撲は面白い」と擁護します。好角家やタニマチのおかげで、いくらスキャンダルが起きても大相撲の興行は安泰なのです。国民的な人気を勝ち取ることができなくなり、長期的に地位がずるずると低下しているが、存在感は残っているというのがビジネスとしての構造です。

歌舞伎も熱狂的なファンから見れば、その人気は不動です。一方で儲かって成長しているのかというとそうでもありません。歌舞伎俳優のスキャンダルは歌舞伎界の内部では早々に収束しますが、世間とは温度差が生まれています。このあたりの収支がプラスなのかマイナスなのかは、松竹の株価の推移を見ると何となく理解できるはずです。

巨大なムラ社会を外部はどう感じるか

一部の熱狂的なファンたちに支えられ、そのファンたちに夢を与える別世界であり、その内部は秘密のベールで覆われている。構造的には宝塚歌劇団も同じです。

その世界の外にいる一般の国民からみれば、何とももやもやした事件が起きたのに、内部の世界ではこのまま収束するかもしれません。1年も過ぎれば何もなかったように、また華やかな世界が繰り広げられるのです。

私個人としては、宝塚の新理事長になる人が会見で、遺族に対していじめの立証責任を要求してきた点に、世の中の常識とは違う別世界を感じました。ジャニーズ事務所の問題と違って、もやもやが晴れない宝塚問題は、このようなビジネス構造が生む閉じたムラ社会、それも巨大なムラ社会を私たち外部の人間がどう感じるのかという社会問題なのです。

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