モヤる「宝塚問題」ジャニーズとの決定的な差 大相撲や歌舞伎と似た「ムラ社会」がたどる道

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2つの問題で後味の違いを生んだ最大の原因は、両社のビジネスモデルの違いにあります。ジャニーズ事務所のビジネスモデルは、テレビ局など大手メディアを使って所属タレントを売り出し、国内の大手スポンサーのCMに出演し、それらの露出を通じて人気タレントが育つビジネスモデルになっています。メディアとスポンサーの力を借りないと新人タレントはスターになれない。これが基本的なメカニズムです。

11月14日に宝塚歌劇団が発表した調査報告書は、概要版でも36ページに及んだ(編集部撮影)

一方の宝塚歌劇団は、ビジネスモデルが自己完結しています。学校に所属した生徒たちを独自のカリキュラムで育成し、劇団に所属させることでスターが生まれます。卒業までは宝塚というハコの中で活動し、宝塚歌劇団に利益をもたらす。これが基本的なビジネスモデルです。

ガバナンスがジャニーズを変えた

2つの問題が違う展開を見せた最大の理由は、ビジネスモデルにあります。ジャニーズの場合、大手スポンサーや大手メディアが一斉に見放したことで問題が深刻化したわけですが、一方の宝塚歌劇団は似た外圧がほぼ起きない構造にあります。

念のために別の違いを指摘をしておくと、宝塚歌劇団ではいじめはなかったのかもしれません。調査が甘いという懸念はありますが、事実が十分に解明されていないので私たちにはわからないのです。

ここがジャニーズと違う点ですが、この記事では疑惑が本当だったのかどうかを論じることはしません。当事者からの報告が生む、その後の空気がなぜ違うのかという点について、深掘りしていきます。

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