安居長敏:ドルトン東京学園の安居長敏です。1959年生まれですが、私は今年16歳になりました。自分の寿命は80歳くらいだろうと思って、折り返しの40歳のとき翌年は41歳ではなく39歳になろうと決めたんです。そして今、16歳というわけです(笑)。
「生きるためのOSをインストールする場所」
私は40歳のときに「このまま人生を歩んでいいのか」と20年間勤めた学校を辞め、ラジオ局を開設するなどまったく違う仕事を経験し、昨年からドルトン東京学園の校長をしています。本校は大学入試を目的にはしていません。「生きるためのOSをインストールするための場所だ」と私は常々言っています。
先ほど宮田先生のお話にあったように、工場で効率よく生産するモデルというのは崩壊しています。「ベルトコンベアのように流れ作業をしていれば先に進む、イコール良くなるはず」。確かに私が生きてきた昭和の時代にはそう考えられていました。頑張れば明日はもっと良くなるといった具合です。
しかし今、頑張るだけでは良くなりません。頑張れない人もどう巻き込んで、一緒に良くなっていくか。前に進むことが学びであるという考え方を変えてみる。そうではない考え方もある、それを子供たちに伝えるのが一番大事かと思っています。
いわゆる探究的な学びということです。探究すると、子供たちは悩んだり立ち止まったり、「これはどういうことなんだろう」と後ろを振り返ったりします。そこで出た新たな自分の考えやアイデアを大事にしていく。教職員も子供たちも、まずは前に進むという考え方を転換してみる必要があるのではないでしょうか。
(後編につづく)
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宮田 純也
一般社団法人未来の先生フォーラム代表理事
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みやた なおや / Naoya Miyata
早稲田大学高等学院、早稲田大学教育学部教育学科教育学専攻教育学専修卒業、早稲田大学大学院教育学研究科修了(教育学修士)。日本最大級の教育イベント「未来の先生フォーラム」創設や2億7100万円の奨学金設立など、様々な教育に関する企画や新規事業を実施。株式会社未来の学校教育 代表取締役などを務める。編著書に『SCHOOL SHIFT』(明治図書出版)。監修に『16歳からのライフ・シフト』(東洋経済新報社)。
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きむら ゆみ / Yumi Kimura
都立高校の家庭科の教諭として定時制、職業科、改革推進校、進学校、新設校などに勤務。都立高校在職中に、東京都教育委員会設定教科「人間と社会」の研究開発委員、ZKK(全国家庭科教育協会)理事、NHK高校講座「家庭総合」監修者を務め、2022年3月に退職。現在は、早稲田大学にてリーダーシップ教育支援、淑徳大学、立教新座高校にてリーダーシップ教育に関する授業を担当。玉川大学では小学校の教員養成に関わっている。ライフワークとしては、「みらい家庭科ラボ」を立ち上げ、オンラインカフェの運営や授業に関するコンサルタントを実施し、コミュニティ運営に力を入れている。『16歳からのライフ・シフト』(東洋経済新報社、編集協力)
齋藤 亮次
公文国際学園中等部・高等部教諭/ブランド分析室
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さいとう りょうじ / Ryoji Saito
早稲田大学教育総合研究所特別研究員、厚労省公認キャリアコンサルタント。誰もが自分らしく生きていけるために、キャリア教育として社会科教育や探究学習、アントレプレナーシップ教育、進路支援、学校と教師のトランジションなどに取り組む。自らもジェネレーターとして数々の探究学習や国内外フィールドワークを設計し、生徒と取り組んだ「SDGsを漫画で学べるトイレットペーパー」で日本トイレ大賞2021を受賞。今までに中高生延べ1,000人以上のキャリアを支援し、探究学習とキャリア教育のアップデートに取り組む。『16歳からのライフ・シフト』(東洋経済新報社、編集協力)、共著に『SCHOOL SHIFT』(明治図書)など
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やすい ながとし / Nagatoshi Yasui
大学卒業後、滋賀女子高等学校に赴任し、20年間教鞭をとる。その後、コミュニティFM2局の設立やITオンラインサポート事業を起業。2006年から再び学校現場にもどり学校改革、学校経営に取り組む。校長就任後は「PBL×ICT教育」の新しいスタイルを構築し、学校と企業をつなぐなど、現場で様々な活動をアクティブに実践中。現在は学習者中心のドルトンプランを実践したドルトン東京学園中等部・高等部で校長を務める。『16歳からのライフ・シフト』(東洋経済新報社、編集協力)
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