旧ジャニーズ、福田新社長就任で何が変わるのか エージェント契約はタレントに救いとなるのか?
日本の芸能界は今後どう変わるべきなのか?
日本のアイドル文化は残していく価値があるのがもちろんあるが、旧ジャニーズ事務所においては、故ジャニー喜多川氏の性加害を生む要因ともなった、芸能事務所のタレントに対する圧倒的な優位性は解消されなければならない。また、それが長きに渡って被害が隠蔽されてきた要因となった、メディアに対する圧力、あるいはメディア側の忖度も是正される必要がある。
そのためには、広い芸能界の中で、旧ジャニーズ新会社だけが契約方式を変えるというだけでは不十分だ。
契約形態を問わず、タレントの権利を守るような法制度を整備したり、業界全体でガイドラインを策定したりといった取り組みが不可欠である。また、人権侵害が行われた際の相談窓口を作ると同時に、加害側に対して、国が改善命令を出したり、罰則を与えたりする仕組み作りも求められる。
契約形態に話を戻すと、吉本興業は闇営業問題が発覚した2019年にエージェント契約を導入したが、加藤浩次氏、近藤春奈氏、友近氏など、エージェント契約に移行した芸人は一部に留まっているし、現在の彼らが十分に活躍の場が与えられているとまでは言い難い状況がある。
新社長に就任すると報じられている福田氏の過去の言動を見る限り、タレントの権利が最大限に尊重される組織づくりをしてくれることに十分な期待は持てそうだ。しかし、それが実現し、持続し続けるためには、ジャニーズ以外の他の芸能事務所やメディアも変わる必要がある。
深刻な問題を引き起こし、その後始末でも紆余曲折を経た旧ジャニーズ事務所であったが、最終的には、自社のみならず、日本の芸能界全体を変革に導く引き金を引いたと言えるかもしれない。
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