旧ジャニーズ、福田新社長就任で何が変わるのか エージェント契約はタレントに救いとなるのか?

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(画像;新会社のロゴ)

エージェント契約が導入されれば、企業はタレントと直接契約を結ぶことになる。間接的に新会社に手数料が流れるにしても、社長も外部から招聘し、旧ジャニーズ事務所とは異なる会社であることがアピールできれば、広告主やメディア企業がタレントを起用することに支障はなくなる。

続いて、②についてだが、タレントとマネジメント契約をするとなると、オフィス、マネージャーなどのスタッフを整えなければならない。タレントのマネジメントの負担も大きくなる。会社立ち上げの段階では、エージェント契約から始めたほうが、会社側にとって金銭的、労力的な負担は小さくて済む。

最後に③についてだが、すでにタレントの離反が懸念されている状況にある。タレントに自由な契約形態を提示することで、新会社と契約する障壁を下げるという意図がその背景にあはありそうだ。旧ジャニーズ事務所を退所したタレントが新会社と新たにエージェント契約を結ぶ可能性も考えられる。

ただし、現段階では、所属タレントに十分な説明がなされているとは言い難く、十分な説明とビジョンの提示が求められている。

以上、エージェント契約を導入する理由を述べてきたが、逆に言えば、上記の3つが解消されれば、エージェント契約にこだわる必要は薄いとも言える。

日本の芸能界にエージェント契約は馴染むのか?

そもそも、一見、マネジメント契約よりもエージェント契約の方が優れているようにも見えるが、事はそう単純ではない。

“マネジメント契約は会社員”、“エージェント契約は個人事業主”に例えられることがある。この例えは必ずしも正確とは言えないが、イメージはわきやすい。十分に稼ぐ力があり、自分で何でもできるタレントであればエージェント契約はメリットがあるが、そうでないタレントにとっては、マネジメント契約の場合が適している場合もある。

だからこそ、旧ジャニーズ事務所は「若手タレントなどは新会社に所属することもできる」と表明し、2つの契約形態を併存させる方向を取ろうとしているのだ。

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