旧ジャニーズ、福田新社長就任で何が変わるのか エージェント契約はタレントに救いとなるのか?

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日本の芸能事務所の重要な機能として、タレントの育成とマネジメントがある。この2つの業務を事務所側が担うからこそ、報酬は事務所の取り分が多く、タレントへの配分が少なくなるという側面がある。

アメリカにおいては、ミュージシャン、俳優、モデル、MC、コメディアンなど、「本業」が明確に決まっている。歌手であるレディガガは映画に出演したり、俳優であるウィル・スミスが歌を歌ったりはしているが、それはたまたま複数の領域で活動しているというにすぎない。

日本の「タレント」、「アイドル」と呼ばれる人たちは、歌、ダンス、俳優、モデルなど、複数の領域の仕事を同時にこなす“ジェネラリスト”であるのが一般的だ。それをマネジメントするのが、芸能事務所のプロデューサーであり、マネージャーである。

特に、アイドルグループという存在は、自然に誕生するものではなく、タレントの組み合わせと売り出し方を考えて、グループ単位での営業活動を行う必要がある。

エージェント契約でそれを行うのは不可能ではないが、困難である。実際に、エージェント契約が主体のアメリカで、日本で見られるような「アイドルグループ」は生まれていない。

アイドル文化は、日本の芸能界のガラパゴス的な特殊環境によって誕生したとも言える。特に、タレントを丸抱えして面倒をみるマネジメント契約という形態が、大きく寄与していると考えられる。

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