旧ジャニーズ、福田新社長就任で何が変わるのか エージェント契約はタレントに救いとなるのか?

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そもそも、マネジメント契約とエージェント契約はどう違うのだろうか?改めて整理しておきたい。

両者の比較は、下図を参照していただきたい。

(出所:各種資料を元に筆者作成)

マネジメント契約は、「専属マネジメント契約」という呼ばれ方もされるとおり、タレントは事務所に“所属”する。メディアや広告主(スポンサー)企業とは、事務所が契約する。営業やギャラ交渉はもちろん、スケジュール管理等のマネージャー業務、トラブル対応なども事務所が担当してくれる。その代わり、タレント側の報酬は相対的に少なく、仕事を自由に受けることも難しい。

一方のエージェント業務は、芸能事務所は営業とギャラ交渉はしてくれるが、その他の業務はタレント個人が行う必要がある。企業と契約するのもタレントであり、ギャラはタレントに直接支払われる。事務所はタレントから手数料を徴収する。

タレント側の業務負担は増えるが、タレントの取り分は増えるし、自由に仕事も選ぶことができる。

なぜ「エージェント契約」なのか?

福田氏は、ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントでハリウッド映画の製作現場に携わった経験がある。J-CASTニュースのインタビューではハリウッド式のエージェント契約との比較から、日本のタレント契約のあり方(マネジメント契約)は、低賃金で移籍の自由もない「奴隷契約」であると批判している。

逆に言えば、芸能事務所にとっては、既存のマネジメント契約の方が儲かるし、安定してタレントを囲い込むことができる、「おいしい契約形態」とも見ることができる。

にもかかわらず、なぜ新会社がエージェント契約を導入することが有力視されるのだろうか。

その理由として、下記の3点が考えられる。

① 取引先離反の防止のため
② 新会社の負担を最小限にとどめるため
③ タレントの選択肢を広げるため

9月7日の記者会見直後から、広告主(スポンサー)企業の急速な離反が起きており、メディアの企業の所属タレント起用離れに波及するに至っている。

まずは①についてだが、取引先の離反防止が旧ジャニーズ事務所にとって喫緊の課題である。ただし、企業側の「タレントを継続的に起用したい」という意向は依然として強く、実際にP&Gジャパンは事務所を通さず、直接契約するという方式を取っている。

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