中国経済、崩壊する?北京大MBA生の考察【前編】 中国にも「失われた30年」が訪れてしまうのか

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ここからは私の考えも展開させてください。刘俏教授と重なる考えも少なくないですが、私の経験や感覚も加えて論を展開させていただきます。

私が中国と初めて関わりを持ったのは、大学の交換留学のために天津に訪れた14年前です。そして、中国関連の仕事を始めたのが約12年前です。その当時から今に至るまで、識者の方々による「中国経済崩壊論」は何度も何度もメディアで謳われてきました。

昨今の中国の不動産バブルの終焉や国内経済の不況を見ると、まさに日本の30年前の姿とそっくりであり、いよいよ「中国経済崩壊論」の現実化が近いようにも思えてきます。

しかし一方、この10年の間、なぜ識者による中国経済崩壊論は当たらなかったのでしょうか

それはズバリ、誰も中国経済を飛躍させることになった「Xファクター」を予測できなかったからです。そして、これからの中国経済の発展の鍵になるのもその「Xファクター」だと私は考えます。

その「Xファクター」とは「インターネット」です。

実は10年以上前から可能性を予言していた

インターネットはアメリカと中国の2強時代です。「中国を知らずに世界のネットを語るべからず」です。もはや目を向けるべき対象は、アメリカ西海岸ではないのかもしれません。
(中略)言語的な障壁なのか、気持ちの上での障壁なのか、いずれにせよ中国に対する認識を改めずに、今起きている大きな「パラダイムシフト」を見間違うことは、大きな損失になってしまうのではないでしょうか

これは、私が10年以上前に書いた内容です。

中国のインターネットサービスの大きな可能性を予言しました。今でこそ理解していただけるかと思いますが、当時、この考察を主張する人はまだ少なく、このような意見は少し奇異な目で見られました。

しかし、その後「テンセント」や「アリババ」の時価総額は世界でTOP10入りしたこともありました。「TikTok」を運営する「バイトダンス」は世界最大のユニコーン企業になりました。

米ブルームバーグの報道によると、中国のTechファッション企業の「SHEIN」の時価総額は、「H&M」と「ZARA」の時価総額合計約820億ドル(約12兆2900億円)を超える約1000億ドル(約14兆9900億円)と言われています。

今では、10年前の私の考察はおおむね正しかったように思います。

この記事につづく後編では、「Xファクター」が中国経済にもたらす影響と、「Xファクター」による中国経済の未来について話したいと思います。

岡 俊輔 中国在住経営者 北京大学MBA23期生

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おか・しゅんすけ / Shunsuke Oka

1988年東京都生まれ。大学時代に中国に交換留学をし、在学時に中国ネットマーケティング会社を創業。当時講談社やTechwave等にて記事連載。CCI主催のSocial Media Week TOKYO等で登壇。

28歳の時に中華系広告代理店に就職。MGRとして中国ネット企業の日本市場広告代理事業の立ち上げをし売上約10倍。31歳の時に大手日系デジタル広告代理店の中国法人のCEOに就任、現在4期目。

Tech領域は19年にプログラミング学校G'sACADEMYピッチイベントGGAにて優勝。同年中国Web3業界で著名な李笑来氏の書籍翻訳。

HSK6級,HSKK高級(中国語最上級資格)。北京大学MBA23期生。

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