結婚式場の口コミ情報サイトを運営するウエディングパークで働くエンジニア・菅沼幸子さん(34)も、ウェブ系への転身を図って活躍している女性のひとりだ。
大学時代に情報工学を学んだ菅沼さんは、新卒で大手SIerに就職。メーカーなどのソフトウエア導入開発や、金融の内部システム構築、通信会社のミドルウェア導入支援などに携わり、5年間の「修行時代」を過ごした。
子どもの頃からの夢は「発明家」。就職活動中も自分のアイデアでライフスタイルを変えられるような仕事がしたいと考えていた菅沼さんは、20代後半でウェブ系への転身を図る。クチコミサイトを運営する大手ウェブ企業に転職し、会員統合やサイトリニューアルなどの仕事を精力的にこなし、社内MVPも受賞したという。
「やがては起業を」と考えていた菅沼さんだが、3社目のウエディングパークで「起業しなくても自分のアイデアを形にできるならいいのではないか」と思い始める。
「自分の目指す方向と会社のベクトルが同じなら、会社に所属しながら自分の夢もかなえられると感じました。私が目指しているのは、人の生活を技術で豊かにすること。そして、ユーザーがワクワクするようなサービスを提供すること。今の会社では、私のやりたいことがすべてできています」(菅沼さん)。
20代女性エンジニアが悩みを語り合う
そんな菅沼さんの話に、20代の女性エンジニアたちが真剣に聞き入っていた。
新卒採用を進めるウェブ系の企業には、20代の女性エンジニアが次々と入社している。ところが従業員数の少ないベンチャー企業も多く、なかなか女性同士が共通の悩みを相談し合える環境にない。そして30代以上の先輩もほとんどいない。
そこで、ウエディングパークのほか、ソーシャルゲーム大手のドリコム、人材会社のエン・ジャパン、ウェブマーケティングを手掛けるSpeeeのウェブ系4社から8人の女性エンジニアが集まり、今後のキャリアについて考える「朝会」を開いたのだ。
参加者のひとり、Aさん(26)はこう語る。「社内に数十人いるエンジニアの中で、女性はごくわずか。みんな土日もひたすらPCに向かって仕事をしていて、プライベートや今後のキャリアのことを考えている人なんていません。でも私は、趣味の楽器は続けたいし、将来のキャリアのことも気になる。こんなことを考えている私って、もしかしてエンジニアに向いていないのかもってずっと思っていました」
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