ユニクロ柳井会長に学ぶ「ドラえもん」流の発想 DX人材に求められる「ロジカル+発想」のジャンプ

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「次世代DXビジネスモデル」は、突然変異の産物ではない。既存のビジネスモデルの進化形として存在するものである。だから、その進化を論理的にロジカルに推論できなければならない。しかし、多くの事業部長や取締役は、論理思考ができるからそのポジションに就いたのではなく、何かビジネスの結果を出したから、そのポジションに就いたに過ぎない。だから、必ずしもロジカルであるとは限らないのである。そうすると論理的に「次世代ビジネスモデル」を構想することが難しい場合もある。

したがって、「次世代DXビジネスモデル構想担当者」を社内で探すのであれば、ロジカルシンキングができる、既存のビジネスを熟知しているシニア層(事業部長、取締役)であるということになる。

ロジカルを捨てて、発想のジャンプができるか?

ここまででもハードルが高そうに見えるが、実は最後の第3の条件が一番難易度が高い。それが、ロジカルシンキングを捨てて、発想のジャンプができることである。

実は、業界最大手企業などであれば、第1、第2の条件を満たす人材を社内で探すことはそれほど難しくない。事業部長や取締役が新入社員だった時代は、日本はバブル期で、ハーバードMBAやスタンフォードMBAにも今とは比較にならないくらい多くの日本人が留学していた。だから、MBAトップスクールを修了したロジカルな、既存のビジネスを熟知しているシニア層(事業部長、取締役)は、業界最大手企業には、実際そこそこ存在する。

ただ、彼らでもあまり得意でないこと、それが、ロジカルシンキングを捨てた発想のジャンプである。彼らは既存のビジネスを熟知しており、ロジカルに考えることもできるため、さまざまなビジネスの制約条件を理解している。

セグメンテーションからOne to Oneマーケティングを行いたいのはやまやまだが、既存部署ではそのスキルもない、人員も足りない。デジタルサイネージを活用して個々の消費者にカスタマイズしたプロモーションをしたいが、サーバーがリアルタイム処理をして適切なコンテンツを提供することは今の技術では難しい。

このように、やりたいことはいろいろ考えられるのだが、既存のビジネスを熟知しており、だからこそロジカルに考えたら「できないことばかりだ」と、頭の中ではビジネスの制約条件がかけめぐるのである。

この第3の条件を満たしているのが、ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長である。柳井氏はファーストリテイリング経営陣に対して常にこう言っているという。

「(君たちは)できないことばかり考えているけれども、ひょっとしたら、これはできるんじゃないかということを考えてやるべきなんじゃないか。成功した人のほとんどは、そういうことを考えて仕事をやっているんですよ」

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