「漢字の勉強はムダ」と思う人が誤解する文章3選 たった1つの言葉で意味が大きく変わってくる

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なぜ、言葉を学ぶ必要があるか。それは、文章も含めて、相手の話をしっかり理解するためには、絶対に、語彙力が必須だからです。

例えば、みなさんは次の文章の正しい意味はどちらだと思いますか?AとB、どちらのほうが正しい解釈でしょうか?

「山田くんのプレゼンは、卑近な例を使っていた」

A あまりよくない例を使っていた


B すごくよい例を使っていた

これは、「卑近」という言葉をしっかりと理解できているか、ということを問う問題です。卑近、というと「卑しい=いやしい」という言葉が入っていますから、「なんだかマイナスなイメージがあるな」と思うかもしれませんが、これは「身近でありふれていて、高尚なものではないから、わかりやすいこと」を指す、肯定的な言葉です。

だから、先ほどの言葉は、「身近すぎて、あまりよくない例だった」ということを言いたいわけではなく、「身近だからこそ、わかりやすい例を使っていた」ということが言いたいわけです。

このように、言葉を知っているかいないかで、解釈が180度変わってしまうことがあるのです。

画一的、どんな言葉のニュアンスがある?

もう1つ例をお出ししましょう。
次の文章の解釈として、正しいのはAとB、どちらでしょうか?

「佐藤氏の説明は、画一的なものだった」

A 著者は、佐藤氏の説明を、今までの形式に沿った評価するべき説明だと考えている


B 著者は、佐藤氏の説明を、ありふれていて型にはまっている、評価すべきではない説明だと考えている

これは、「画一的」という言葉がどんなニュアンスを持っているのか、わかっていれば答えられる問題です。

「画一的」というのは、「ありふれていて型にはまっていること・特徴がなく個性がないこと」を指す言葉で、この言葉が使われているときは大抵、否定的な意味になります。

ですからこれはBのほうが正解だと考えられます。たしかにAの「形式に沿った説明」というのも間違いではないのですが、「画一的」という言葉を使ったからには、そこに含まれる「没個性的」「特徴がない」という否定的な意味合いを強調していると考えられます。

ちなみに、この「画一的」は、類義語で「常套句」「杓子定規」「アナクロニズム」などがあります。「杓子定規」といえば、「凝り固まった考え方で、融通が効かない」というようなニュアンスで使いますよね。このように、いろんな言葉を知っていると、「画一的」も理解しやすいと思います。

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