9割の親世代が驚愕「これが令和のワーホリか!」 最低時給2000円、カフェのバイトで月40万円…

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2023年2月1日、NHKの『クローズアップ現代』で「“安いニッポンから海外出稼ぎへ”〜稼げる国を目指す若者たち〜」というタイトルで放映された番組があった。

紹介されたのは、オーストラリアにワーホリでやってきて、日本人の若者たちが稼ぐ衝撃の金額だった。

●農場での実働6時間のブルーベリー摘みアルバイトで、月収50万円。夕方からはビーチでサーフィン。
●カフェでのアルバイト収入は週給10万円。月収にすると、アルバイトの収入だけで40万円以上に。
●残業なしの介護アシスタントで月収80万円。日本を離れてわずか9カ月で貯金は270万円。

オーストラリアの最低賃金は時給21.38豪ドル、日本円で約2000円(番組放送時。現在は23.23豪ドルとさらにアップ)。これが最低賃金(時給)なのだ。日本の約2倍。だから、カフェのアルバイトでも月収が40万円、50万円にもなるという。

安いニッポンよりも貯金ができる

オーストラリア、カナダ、ニュージーランド……。コロナ禍が明けた今、日本を飛び出し、海外に目を向ける若者たちが増えている。実はNHKの番組放映の前年夏から、若者たちの間ではSNSで話題になっていたのだ。

というのも、実際に「稼いでいた」若者たちがSNSを使って、自分たちの稼ぎをレポートしていたからである。中には給与明細をアップしている若者もいた。

それにネットメディアが飛びつき、さらに民放の人気番組やニュース番組が飛びつき、とうとうNHKまでもが取り上げることになったわけだ。

ワーホリが若者にとって「稼げる場」になっていたのは理由がある。日本の“安さ”である。この30年間、世界の国々では経済成長に伴って、働く人々の賃金が上がっていった。アメリカやイギリスでは、約1.5倍に。ドイツやフランスでも約1.3倍になっている。

ところが、日本の実質賃金の伸び率は0.1%。30年間、ほとんど増えていないのである。OECD諸国の中でも、日本の賃金水準は今や下から5番目の水準になってしまっている。そこに加えて、ここ数年は急激に円安が進んだ。円の価値が下がり、相対的に海外で稼ぐことが大きな魅力になったのだ。

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