東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #岐路に立つ日本の財政

所得税に法人税、「減税ラッシュ」がやってくる 法人税減税は「賃上げと研究開発」が要件

10分で読める
  • 土居 丈朗 慶應義塾大学 経済学部教授
2/6 PAGES
3/6 PAGES
4/6 PAGES

次に、イノベーションボックスの創設も俎上に載っている。

岸田首相は、新しい資本主義実現会議の9月27日の会合で、「イノベーションボックス税制」と明言し、踏み込んだ発言をしている。同日の新しい資本主義実現会議で取りまとめられた「新しい資本主義の推進についての重点事項」の中には、「イノベーションボックス税制」という文字は1つも入っていなかったにもかかわらず、そのうえでの岸田首相の発言である。

欧米の税制優遇を指をくわえて見ていられない

イノベーションボックス税制とは、特許など知的財産から上がる企業収益を他の所得と分けて、通常の法人税率より低い税率で課税する制度である。欧州等で導入されている。

この税制の狙いは、企業が国内で自ら研究開発した知的財産から得た収益の法人税負担が軽くなるという仕組みを通じて、企業が外国ではなくその国内で研究開発を行うインセンティブを与えるところにある。

イノベーションボックス税制が急浮上した背景の1つには、コロナ後を見据えてアメリカのインフレ抑制法など、自国(地域)で研究開発を行うと税制優遇が受けられるという仕組みが、欧米で続々と導入されていることがある。このまま日本が何もしないで指をくわえて見ているだけでは、日本企業が研究開発拠点を外国に移してしまいかねない。

岸田首相が「イノベーションボックス税制」と明言した以上、ゼロ回答というわけにはいかないだろう。

次ページが続きます:
【イノベーション税制の設計のキモ】

5/6 PAGES
6/6 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象