ジャニーズ「当事者の会」要請、妥当か不当かの拙速 被害者救済のあり方と私たちの目線

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

要請書のトップ項目として書かれていたほか、「然るべき」「継承すべきものではありません」「最低限の条件」などのフレーズに強い意志がうかがえます。これを各メディアが報じるとネット上にはさまざまな声が上がり、X(旧ツイッター)のトレンド1位を記録しました。

現段階でたたくのは「行きすぎ」か

この項目に関してネット上に書き込まれた主な声を挙げていきましょう。

「あまりに被害者の立場のみで恒久的な高額賠償を請求するのは違うと思います」
「『新会社に継承させない』という要請はすこしいきすぎているのではないか?」
「ジャニーズ側を弁護するつもりは全く無くてむしろ問題だとは考えているが、被害者だからって何でもいいということでは無い」
「被害は補償されるべきですが、少しおかしいのではという発言が増えている気がします」
「資産をどうするかは被害者が決める事ではない」
「ある程度のラインで妥協しないとあんまり欲をだすと、取れるものも取れなくなると思うよ」
「過度な要求は、ジャニー喜多川から受けた性被害者以外の被害者の方々に非常に失礼な言動をしていると思います」
「被害者が加害者になりそうですね」
「当事者の会は今この時点で解体をするべきだと切に思いました」

最も多いのが、このような「行きすぎ」という否定的な声。ここでは挙げませんでしたが、誹謗中傷のようなものも少なくありませんでした。このような誹謗中傷も、「被害者に対するものとして適切か」という以前に、「行きすぎ」のコメントでしょう。

ただ、その一方で被害者に寄り添うような声もありました。

「何をしても被害者の怒りや傷は消えないものです。だから、法で賠償額が決められるわけで。納得できることは、まずありません」
「被害者側が決めたらいくらにでもなるに決まっている。されたことはどんな額になっても気持ちはおさまらないのだから」
「何を要求するかは自由だとは思う。何かを要求した際、思った回答が得られるかどうかはまた別」
「性被害に遭ったことのない私には、当事者の方々の気持ちや憤りはわからないが、未来志向的な話をしないことには物事は進まないですよね」
「こういった記事によって本当に被害にあわれた方々が声を上げにくい同調圧力を生むことだけは、絶対にあってはならないと思う」

被害者が負った傷や怒りの感情などは本人しかわかりえないものであり、個人差もあるのでしょう。だからこそ当事者の会から離脱者が増えていることや、副代表の「お金目当てです」などのコメントを持ち出して、たたこうとするのはフェアではないように見えます。

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事