ジャニー性加害は「1人1000万円補償」が最低線 紀藤正樹氏「事務所の利益の一部を返すべき」
『週刊東洋経済』11月11日号では「解体!ジャニーズ経済圏」を特集。タレント帝国の知られざる金庫の中身、不動産の保有実態、ジュリー氏が税金を払わないで済む離れワザ、新設会社に原盤権を移転する際の問題点についてお届けする。
ジャニー喜多川氏の未成年者への性加害は実に罪深いものだ。ジャニー氏は重大な刑事事件の主犯として摘発されてしかるべきだった。
刑事責任を問われれば、旧ジャニーズ事務所はとうの昔に市場から淘汰されていた。それほど深刻な事案だ。
それなのに、ジャニー氏亡き後、法形式的に被害者を救済するだけであれば、ジャニー氏の“やり得”になってしまう。それは避けるべきだ。
藤島ジュリー景子氏が書簡の中で「法を超えた救済」と述べたのは、この点を理解してのことと思われる。
「ジャニー喜多川の痕跡を、この世から一切なくしたい」という手紙の文面からも、ジュリー氏が事態の深刻さを理解していることが読み取れる。
利益の一部を被害者に返すべき
被害者への賠償には、慰謝料の基準とされているものだけでなく、長年苦しんできた後遺障害や逸失利益、さらに旧ジャニーズ事務所が得た利益の配分的要素も加味すべきではないか。
後遺障害や逸失利益への補償は交通事故なら当然なされるものだ。また、旧ジャニーズ事務所の利益は数多くの被害者の犠牲の上に成り立ってきた。だから、その利益の全額とは言わないが、一部を被害者に返すべきではないか。
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