「NG記者」鈴木エイトが会見で聞きたかったこと "心のケア"や"補償"が独り歩きしている

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「ジャニーズ経済圏」特集バナー
「NG記者」が指されたら聞きたかったことは重要なポイントだった
ジャニー氏による性加害の補償総額はいくらになる? 雑誌・テレビ・映画がジャニーズに依存した理由は? タレント帝国を支えた「ジュニア」育成の仕組みとは?

『週刊東洋経済』11月11日号では「解体!ジャニーズ経済圏」を特集。タレント帝国の知られざる金庫の中身、不動産の保有実態、ジュリー氏が税金を払わないで済む離れワザ、新設会社に原盤権を移転する際の問題点についてお届けする。
『週刊東洋経済 2023年11/11号[雑誌]』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

10月2日のジャニーズ事務所(当時、現スマイルアップ)の記者会見──。私は質疑応答の最初から挙手していた。司会者の松本和也氏と目も合った。周囲の記者は指されたが、なぜか私は最後まで指されなかった。

会見が終わってすぐに「NGリスト」の存在を知り、私の名前が載っていることを確認した。6人のリストを目の当たりにし、「それで指されなかったのか」と思うと、何か虚しい気持ちになった。

被害者の感情を不用意に傷つけないようにと、「これは聞けないよな」「どう聞くべきかな」と思いを巡らし、自分が指された際の言葉遣いに気を配って準備していた。が、すべて無駄に終わった。

「真贋はわからない」と伝えるべき

旧ジャニーズ事務所は10月10日に「NGリストの外部流出事案に関する事実調査について」というリリースを出した。これは一方的な発表にすぎず、「真贋はわからない」と伝えるべきだ。

ところがリリースに書いてあることがすべて事実であるかのように取り上げるワイドショーもあった。これでは事務所側の誘導に乗せられてしまう。一種の危うさを感じる。

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