スマイルアップCCO語る「ジャニーズ問題の贖罪」 「金銭補償は救済の一部」と外部招聘の山田氏
――補償受付窓口に被害を申告した方は999人です(取材時点。7月16日の公表で1001人に)。山田さんはこの人数をどうみていますか。
報告書(外部専門家による再発防止特別チームが昨年8月に公表)などが出た後にこの会社に関わるようになったので、旧事務所の実態について把握しきれていないが、999人は多いとの印象を持っている。
一方で、補償内容に合意していただける方も多いなと感じている。救済委員会の仕組みができて1年も経ってない段階で、約500人の方に補償が進んでいる状況は、民事訴訟で賠償していくイメージで考えると、普通ありえない。それなりにスムーズに進んでいるのではないか。
――補償内容を通知した約500人の94%の方と合意できたと公表しています。補償内容は独立した外部の「被害者救済委員会」が決めていますが、それだけ合意を得られた理由について何か聞いていますか。
被害を受けたことをもう思い出したくないから早く解決したいという方もいらっしゃるだろうし、過去のことを組織として認めて謝罪したということに一定の救済を得た方もいると思う。一概にこうだと一般化することは難しい。なお補償の進捗については毎月必ず取締役会で報告されている。
被害者との対話は東山社長にしかできない
――取締役会で報告されているということは、東山紀之社長も主体的に関わっているのでしょうか。
東山社長はとくに被害者との対話などを中心に行っている。対話の場で「こういう話があった」ということは取締役会で共有して補償に生かしていく形になっている。
――山田さんの目には、経営者としての東山社長の姿はどう映っていますか。東山さんに経営を担わせるのは荷が重いという議論もありました。
経営者としてどうなのかといった意見が出ていたことは知っている。だが、被害者との対話は正直、東山社長にしかできないことではないかと思っている。
スマイルアップという会社はお金を稼ごうという組織ではなく、被害者救済を目的としている。補償を進めていく中で、東山社長は必要な存在であり、代表取締役という責任ある立場にある意味は非常に大きい。ほかの方が代表取締役では駄目なんじゃないだろうか。