鹿児島・旧大隅線「主力はフェリー」の交通事情 国分―古江間、鹿児島市対岸の人口減少エリア

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2023年10月現在、フェリーは垂水港発6時台から、鴨池港発21時台まで、1日23往復が運航しており、大人片道運賃は500円と格安だ。所要時間は40分で、もちろん自家用車やトラックなどの積載もでき、鴨池港では市内各方面へのバスも接続している。

垂水港のフェリーターミナルのバスターミナル
垂水港のフェリーターミナル前のバスターミナル(筆者撮影)

大隅半島と鹿児島市を結ぶ公共交通機関の主軸は、間違いなくこのフェリーなのだ。そして大隅線や現在の代替バスは、あくまで地域内の移動手段にすぎず、鉄道を維持するだけの需要もなかったということだ。

鹿屋と鹿児島市を直結するバス

一方で特筆すべきは、鹿屋―鹿児島間の直行バス。垂水港―鴨池港間はフェリーに積載されて走るという、全国的にも珍しい存在だ。

鹿屋―鹿児島間の直行バス
鹿屋―鹿児島間の直行バス(筆者撮影)
フェリーに載るバス
フェリーに積み込まれる直行バス(筆者撮影)

2009年度より、鹿屋市が事業主体となり、鹿児島交通に運行を委託する形でスタートし、現在は1日4往復。高速バススタイルのバスを使用し、大隅半島側では鹿屋市内の要所と古江、垂水港からの乗車が可能だ。鹿児島市内では県庁前、鹿児島中央駅など中心部にバス停が設けられている。鹿屋―鹿児島間の運賃は大人片道で1500円と一般路線バスとフェリーを乗り継ぐより割安で便利だ。

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