鹿児島・旧大隅線「主力はフェリー」の交通事情 国分―古江間、鹿児島市対岸の人口減少エリア

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牛根大橋を渡ると桜島口。大正の大噴火で、大隅半島と桜島が地続きになったところだ。観光の拠点でもある。しかし、目立ったのは桜島口を過ぎてからの道路交通量の多さ。鹿児島市中心部へは分岐する国道224号を通り、桜島フェリーを使うのが最短ルートになるからだ。

垂水港―桜島口―桜島港間には鹿児島交通の別系統のバスも1日6往復入り、短絡ルートを形成している。8時25分に垂水市役所などに近い垂水中央着。1160円かかった。

「垂水駅跡」のバス停

1つ手前に垂水駅跡とのバス停があり、近くに駅跡を整備した鉄道記念公園がある。垂水中央から西へ、海へと歩くと鹿児島市内の鴨池とを結んでいた「鴨池・垂水フェリー」の旧ターミナルがあり、建物が残る。そばには鹿児島交通のバス営業所もある。大隅線と港は直結していたわけではなく、駅からフェリー乗り場までの間は徒歩10分弱ほどの距離があった。

垂水駅跡バス停
垂水駅跡を名乗るバス停(筆者撮影)

垂水市の人口は現在、1万2000人あまり。鉄道があった頃と比べるとほぼ半減した。工業は盛んではなく、主要産業は農水産業。旧国分市中心部の人口がいまだ微増傾向にあるのとは対象的だ。

2020年度の高齢化率は43.1%と県内の市では最高、全体でも5位と非常に高い。ただ大隅線があろうとなかろうと、鹿児島市などへ若者が吸い上げられやすい、利便性の高い事情が存在する。

垂水港のフェリー乗り場は1998年に新港へ移転した。現在のターミナルは中心部からバスや車で5分ほど離れた、本城川の河口の左岸地区にある。自動車の普及にともない、必ずしも町の中心部にある必要がなくなった事情がうかがえる。

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