鹿児島・旧大隅線「主力はフェリー」の交通事情 国分―古江間、鹿児島市対岸の人口減少エリア

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鹿児島交通のバスターミナル(垂水港バス停)も、フェリーターミナルに併設されている。国分方面からの系統はここが終点で、垂水中央病院を起点終点とする、鹿屋・志布志方面への系統は乗り換えとなる。

志布志行きバス
古江・鹿屋方面へ向かう志布志行き(筆者撮影)

古江を経由し鹿屋へ向かうバスは朝夕は30分、日中や夜間も1時間~1時間30分に1本程度あり、国分―垂水間と比べて、利用客の多さがわかる。垂水中央病院10時38分発、垂水港発10時51分発の志布志港入口行きに乗って、再び国道220号で鹿児島湾に沿って南下。古江まで行く。ここまでは旧大隅線とも完全に並行する。古江11時12分着、510円。

港のそばにあった古江駅

古江は港町だが、内陸部に中心地がある鹿屋市域になる。古江港も現在の正式名称は鹿屋港だ。南隅軽便鉄道は当初、鹿屋と古江を直線的に結ぶルートで計画されていた。しかし、途中に急勾配が生じることがわかり、急遽、やはり港町であった高須へのルートに変更。古江へは高須から海岸沿いに北上することにした。

旧古江駅跡
旧古江駅跡は鉄道記念公園になっている(筆者撮影)

そのため、現在のバス路線も交通の流れに沿って、古江から内陸部に入り、まっすぐ鹿屋へ向かう系統が主軸だ。古江から高須へ向かう系統は別になっている。取材時点では古江発で高須を経由し鹿屋方面へ3往復。さらに垂水港から古江、高須を経て南大隅町の根占方面へ向かう3往復も利用可能であった。

しかし、2023年10月1日の鹿児島交通のダイヤ改正により、それぞれ1往復ずつにまで削減されてしまった。運転士不足が大きく影響し、利用客が少ない便が切られている実情がうかがえる。

取材時には、11時52分発の古江小島発高須経由鹿屋行きがあったので利用した。それまでの時間は駅舎が残り、公園になっている古江駅跡に立ち寄る。確かに港のそばで、海運との連絡を重視した鉄道であったと、再確認できた。

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土屋 武之 鉄道ジャーナリスト

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つちや たけゆき / Takeyuki Tsuchiya

1965年生まれ。『鉄道ジャーナル』のルポを毎号担当。震災被害を受けた鉄道の取材も精力的に行う。著書に『鉄道の未来予想図』『きっぷのルール ハンドブック』など。

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