日本初の「ブリジェラ」に行列ができる秘密 3代目社長が挑む新感覚のジェラート屋
清澄白河という立地を選んだのも、スローなイメージを押し出したかったからだ。もちろん、ブルーボトルコーヒー等、人気コーヒー店が集まる地区だというのも大きい。なにしろ同店は、駅からブルーボトルコーヒーに向かう道筋に立地するのだ。
「本来なら、原宿、銀座を狙うところでしょう。ただ、うちのシンプル、ナチュラルというブランドイメージはそれらの地区にそぐわないと思ったんです」(田中さん)。
商品を見ると、ブリオッシュにジェラートを挟んで、ハンバーガー用の包材に包んだだけ。いかにもスイーツらしい、かわいらしさ、派手さはないと言える。実際、計画を進める段階で、田中さんがアドバイスを求めた人は誰もが「もっとデコレーションしなければ勝てない」と口を揃えたそうだ。
ジェラートは素朴なスイーツ
「でも、ジェラートはイタリアでは500年、600年の歴史がある、素朴なスイーツです。ですから、見た目ではなく素朴さで勝負をしたかった。それに、見た目を派手にして、例えば原宿などで受けたとしても一時的なものに終わってしまいます。だから、立地としては居住している人口が多い地域を狙いました。その点、江東区はここ数年で人口が急激に増え50万人を超えており、将来性も感じました」(田中さん)。
未だ行列ができるほどの客入りで、休日は日に約1000人、平日でも500〜600人が訪れる。
「本当は、温かいカプチーノもメニューに加える予定だったのですが、とても提供できる状況になく、現在はアイスコーヒーのみとしています。その代わり持ち込みはOKです」(田中さん)。
やはりジェラートで冷たくなった口には、温かい飲み物が欲しいところ。ただ近くにはブルーボトルコーヒーのほかにも、「アライズコーヒーロースターズ」などコーヒーを提供するところがいくつかある。清澄白河界隈は、こだわりのカフェが多い「カフェ銀座」でもあるのだ。温かいコーヒーが欲しい場合は、それらのお店で購入してもよさそうだ。
休日は周辺から来る客が多く、なかには泊まりがけで地方から訪れる客もいるが、平日は子連れの主婦をはじめ、地元の人が多い。
「まだ開店間もないのに3〜4回来店してくださったお客様もいるんです」(田中さん)。
午後8時の閉店ギリギリに駆け込んで、夜食として食べて帰る女性もいるとか。その意味では「働く女性のため」という目標に近い形で営業できていると言える。地元密着の店舗として、江東区内に数店舗出店していきたいという。
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