日本初の「ブリジェラ」に行列ができる秘密 3代目社長が挑む新感覚のジェラート屋

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ヘルシーさを売りにしたコンビニ弁当も出てはいるものの、確かにまだまだ「選べる」というほど品数が豊富ではない状況だ。ただ、ブリジェラが提供しているスイーツ類は本来嗜好品であり、毎日食べなくともよいもの。食事にしてよいというほど、栄養面で優れているものなのだろうか。

「スイーツはスイーツでも、うちは『食すスイーツ』を謳っています。温暖なシチリアでは、暑さで食欲がないときに、ジェラートをブリオッシュに挟み食事代わりに食べるのは普通なんですよ」(田中さん)。

平日でも行列ができる

ジェラートといってもさまざまなタイプがあるが、ブリジェラでは冷凍フルーツなどではなく、生の果物を使用。そのため栄養成分としては、果物などにビタミンが、牛乳にはカルシウムが含まれている。果物の甘さを活かすため砂糖は控えめにし、また乳脂肪分が低いさっぱりタイプなので、カロリーは低い。さらに、素材は国内産、着色料・香料・保存料無添加をモットーとしている。

またジェラートを挟むブリオッシュも、直径10cmほどの小さなもの。溶けたジェラートがしみ込みやすいよう、軽く焼き上げてある。ちなみに、ブリオッシュは人気のクロワッサンドーナツ専門店アンジェリークNYとの共同開発とのこと。同店も、小麦、バターなどの素材にこだわった商品作りを行っている。

「なぜなら、ブリオッシュ・コン・ジェラートのおいしさは、素材のよさと新鮮さで決まるからです」(田中さん)。

できるだけ新鮮なものを提供するために、ジェラートはすべてその日の朝に手作りしたもの。午前10時半の開店に合わせ、ジェラート職人は朝6時半からジェラート作りを始める。ジェラート職人は、イタリアで実際にジェラート専門店での6年間の経験がある日本人女性だそうだ。

旬の食材を使うことにもこだわっている。例えば「いちご」は大変人気のあるフレーバーだが、提供するのは露地物(ハウス栽培でないもの)が出回る時期(3〜5月)だけだ。

「イタリアでは朝、市場で旬のものを選んで来て、その日のジェラートの材料にするというやり方が普通です。日本では食材の流通の仕組みがまったく違いますが、なるべくイタリア流にやりたいと思っています」(田中さん)。

列車が時刻表通りに運行しないことで有名なイタリア。ジェラート屋も本国なら「○○味、今日はないよ」と言えば済むところだが、日本ではサービスが一定していなければ、お客からのクレームにつながってしまう。

「ですから、ラインナップも当初は定番商品8種類、季節もの8種類にする予定だったのですが、定番10種類、季節ものフレーバー6種類の全16種類に変更しました」(田中さん)。

年中、さまざまな野菜や果物が出回っている現代の日本では、旬を感じることが難しくなっている。逆に、旬を感じられる場、食育の場としても、スロー志向の人にはアピールしそうだ。

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