「もっと何かできたはず」をなくす"ペットの終活" 愛犬・愛猫の死で「ロス」に陥る飼い主は約6割

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いまでは「死」に背を向けることなく、受け止めることの大切さを感じ、若いころから終活を始める人が増えています。

ペットでも同じような考え方が必要であると思っています。

犬や猫は人間の約4倍のスピードで年を重ねていきます。人間の生涯よりも、ずっと短いのです。平均寿命は小型犬・中型犬で15年、大型犬で10年、そして猫で15年。単に時の流れのままに過ごしていると、あっという間にペットは旅立ってしまいます。

だからこそ、愛するペットとともに「どう生きるのか」を真剣に考える必要があります。

そのために飼い主ができることを考え、今から行動することが「ペットの終活」です。あえてこのネーミングにしたのはすでに人間の終活が浸透しているため、何をすればよいのか想像しやすいと考えたからです。

愛するペットに対する思いを1つひとつ形にしていくことが大切です。日々、飼い主にたくさんの癒やしを与えてくれるペットに対しての恩返しにもなると思っています。

愛するペットを亡くして後悔

筆者は数年前まで、ボルゾイ(大型犬)を3匹飼っていました。パパ、ママ、息子です。しかし、3頭とも寿命をまっとうすることなく、早くに旅立ってしまいました。

息子はペットホテルの従業員が判断ミスをし、病院への搬送が遅れたことによる胃捻転での急死。私が駆け付けたときにはもう亡くなっていました。3歳という若さでした。

パパは5歳のときに脳内出血からのショック死。動物病院で獣医師とともに1時間以上蘇生を試みましたが、息を吹き返すことはありませんでした。ママは8歳のときに血管肉腫というリンパのがんに侵され、闘病の末に亡くなりました。

闘病中のママのアリラ。猫と仲良しで、いつも猫がママのサークルの中に入っていた(写真:筆者提供)

それぞれ亡くなった経緯も年齢も違いますが、現実に直面したときの狼狽や心に残った思いは同じでした。

「もっと一緒に遊んでおけばよかった」「もっとしてあげられることがあったはず」「もっと病気や介護について勉強しておけばよかった」「もっと葬儀やお墓について考えておけばよかった」など、後悔の言葉ばかりが頭のなかを巡りました。

「別れ」が突然にやって来るなんて思いもせずに、ただ毎日のことだけを考え、彼らと過ごしていたのです。今でも思い出すと胸が締め付けられるくらい苦しくなります。私のなかに残る後悔が、そうさせていると感じています。

愛するペットが旅立ったときの悲しみの深さは、ペットロスになってしまうほど耐え難いものがあります。100%後悔もなく、穏やかな気持ちで見送れることは少ないでしょう。

しかし、前述した調査結果にある後悔は、ペットが元気なうちにさまざまな準備を整え、今をより楽しく幸せに過ごすことで、多少なりとも軽減できると考えます。

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