月に300商品!ガチャガチャ"第4次ブーム"の真相 「コップのフチ子」以降続くカプセルトイ人気

拡大
縮小

また、大宮(埼玉県)、仙台(宮城県)、船橋(千葉県)など、日本全国のいたるところで、地元民しか理解できないだろう超マニアックな「ご当地カプセルトイ」も登場するなど、地域を盛り上げるツールにまで進化している。

少数ロットから生産が可能なガチャガチャは、“誰が買うんだろう”といった挑戦的なネタを扱えることも強み。現在、ガチャメーカーは40社ほどあって、毎月、300~400の新しいガチャガチャの商品が作られています。

回転が早いこともあって、見かけたときに買わないと、もう買えないかもしれない(笑)。そうした消費者心理も相まって、ガチャガチャ人気は高まっているのだと思います」

ねぎの持ち運びに便利と話題の『ねぎ袋』は、第3弾が今年10月発売予定(C)tarlin

歌は世につれ世は歌につれ─ではないが、カプセルトイも世につれだろう。カプセルトイが市民権を得ていく背景には、その時代に必ずエポックメーキングな商品と、新たな舞台装置が登場していることがわかる。

ブームではなく必然的な盛り上がり

小野尾さんは、「ガチャガチャはブームではなく必然的な盛り上がり」と話す。

一過性のブームではなく、ガチャガチャにはそれだけ可能性があるということ。日本にはくじ文化があって、ミニチュアのものを好むといった独自の文化もあります。また、100円硬貨があることも大きい。

アメリカは1ドル札になるので、ガチャガチャのような文化は広がらなかった。ガチャガチャは、極めて日本的なカルチャーなんですね。最近は、旅行券や食事券が当たるガチャガチャも増えています。今後は、体験を生むようなガチャガチャが増えていくのではないか

珍しいカプセルトイを見かけると、ついついハンドルを回してしまう。ハズレを引いても妙な満足感が得られるのは、あの小さなカプセルの中に夢やアイデアが詰まっているからだろう。

(取材・文/我妻弘崇)

小野尾勝彦 一般社団法人日本ガチャガチャ協会代表理事、株式会社築地ファクトリー 代表取締役。1994年ガチャガチャメーカーの株式会社ユージン(現タカラトミーアーツ)に入社し、数多くの商品開発を手がける。現在はガチャガチャビジネスのコンサルティングや商品企画などを行う。著書に、『ガチャガチャの経済学』(プレジデント社)がある
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT