月に300商品!ガチャガチャ"第4次ブーム"の真相 「コップのフチ子」以降続くカプセルトイ人気

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『ガチャガチャの森』の平日利用者の約7割は女性だそう。子どもが楽しむものというイメージが色濃かったカプセルトイは、今や幅広い層が楽しむ存在へと変わっているというから驚きだろう。

「ガチャガチャブームの火付け役は、1983年に発売された『キン肉マン消しゴム(キン消し)』です。子どもを中心に大ヒット(販売累計1億8000万個)しましたから、以前はガチャガチャ=子どもが楽しむものでした」

ボタンを押すと「次、止まります」といった音声が流れる『バスの降車ボタン』や、実際に氷が削れる『レトロかき氷器』などユニークな商品も(写真:週刊女性PRIME編集部)

キン消しが第1次ブームを作り出した立役者だといい、以後、「ガチャガチャ文化は花開いていく」と小野尾さんは話す。

バンダイさんが、IP(知的財産)をガチャガチャという販路で展開したことは画期的なことでした。それ以前は、無断でキャラクター商品が好き勝手に売られている状況でしたから、バンダイさんは“黒船”のようなインパクトがあった

ハードが進化した

実は、「ガチャガチャ」や「ガシャポン」といわれる呼称は、キン肉マンやガンダムシリーズを展開したバンダイの商標だ。

一般的な総称は「カプセルトイ」であることから、いかにキン消しの影響力が今に続くまで大きいかがうかがい知れるだろう。

IPをカプセルトイで展開することが一般的になる中で、1995年に第2次ブームが到来する。単色だったものが彩色され、レベルが上がったことも要因だが、「ハードが進化したことも大きい」と小野尾さんは教える。

私が働いていた『ユージン』(現タカラトミーアーツ)が、『スリムボーイ』という2ボックス一体型ガチャマシンを製造します。ガチャガチャの筐体を縦に連結できることで、スペースを取らずに100円と200円のガチャガチャなどを取り扱えるようになった

『ディズニーフィギュアコレクション』が爆発的に売れたことで、ガチャガチャを購入する客層が大人まで広がるトレンドがここから始まる。現在、カプセルトイの筐体は、タカラトミーアーツとバンダイの2社が製造しているが(なんとPOS機能が搭載された筐体もある!)、その始まりは第2次ブームにあるというわけだ。

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