「コウペンちゃん」ほめてほしい現代人に刺さる

自分を肯定してもらいたいから、圧倒的共感

20~30代のOLがファンの中心だが、主婦層も多い。るるてあさんに「子どもへの接し方が変わった。今までは叱ってばかりだったが、何かできたら褒めてあげられるようになった」という声も寄せられた ©るるてあ

「出勤してえらい!」―――。このシンプルな言葉に、共感を覚えるだろうか。それとも、当然のことと考えるだろうか。この一言からすべてが始まり、SNSを発端として、根強い人気を獲得したキャラクターがいる。コウテイペンギンの赤ちゃん「コウペンちゃん」だ。

コウペンちゃんは「布団の中から出てえらい!」「ごはんたべたの?えらい!!」「今日一番がんばったのはあなたです!」など、日々のささいなことを応援し、肯定してくれるキャラクター。作者であるイラストレーター、るるてあさんのフォロワー数(ツイッター)は33.5万人。原画展やイベント、期間限定カフェ、グッズを扱う量販店、専門ショップには多くのファンが押しかける。

特徴的なのは企業からの人気も非常に高いことだ。つねに多数のラブコールが寄せられており、ローソンやカルピス、日清食品のカップラーメン、岩下の新生姜、LINEモバイルなど、多数のコラボをこなしてきた。現在はモスバーガーなどとコラボ中だ。なぜコウペンちゃんは現代人の心に刺さるキャラクターになったのだろうか。

1枚のイラストに7万人が即座に反応

コウペンちゃんの誕生日は2017年4月4日。きっかけはツイッターに投稿した1枚のイラストだ。「出勤してえらい!」の言葉とともにこちらを見つめる、コウテイペンギンの赤ちゃん。るるてあさん自身が「誰かに言ってもらいたい言葉」として描いたイラストだった。

「いいことがあるおまじない~」「ねむいのにえらい・・・」。何かしらの言葉を伴うグッズが多い(記者撮影)

当時は朝早い仕事をこなしており、毎朝5時に起床していた。混雑する電車で人混みにもまれ、職場に着くまでもひと苦労だったという。そんな日々の中で、自らを”肯定”してくれる言葉を持つ、ダジャレを含めたペンギンのキャラクターを描いたのだった。業務時間の直前、イラストを取り出して見つめると、コウペンちゃんは「えらい!」とほめてくれた。「勇気づけられた」という少し嬉しい気持ちで、ツイッターに投稿したのだという。

こんな言葉でほめてほしかった。そう共感したユーザーは多かった。イラストは瞬く間に拡散され、フォロワーは1日で7万人増と、爆発的に拡大したのだ。想像すらしなかったヒットに、るるてあさんも困惑したが、「このタイミングなら、もっと多くの人たちに作品を見てもらえるかもしれない」。これをきっかけに、LINEスタンプの制作にとりかかった。

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