「コウペンちゃん」ほめてほしい現代人に刺さる 自分を肯定してもらいたいから、圧倒的共感

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そこからは驚くべきスピード感だ。スタンプは第1弾から大人気となり、2017年5月にダウンロード数1位を獲得、月間MVPに選ばれた。第2弾も1位を取り、「LINEクリエイターズスタンプアワード2017」の新人賞を受賞した。同時にキャラクターグッズの展開も進み、10月にはぬいぐるみやTシャツ、キーホルダー、マグカップなどのグッズを展開し、実店舗にズラリと並べた。11月には1回目の期間限定コラボカフェもオープンしている。

2019年に東京駅地下の「東京キャラクターストリート」に常設ショップが堂々オープン。ポケモンやリラックマ、ハローキティ、プリキュアなど、名だたるキャラクターに肩を並べた(記者撮影)

ライセンス管理を担当するのはスパイラルキュート社。「コップのフチ子」や「ふなっしー」などのビジネスも手がける会社だ。川上洋一代表は「コウペンちゃんはささいなことを応援し、見る人に共感や癒やし、勇気を与えてくれる存在。今の時代に合っていて、10年前ならヒットしなかったかもしれない。展開も早く、ほかのキャラクターが数年かかることを、1年でやってきた」と説明する。

企業のオファーが多い理由は、キャラクターの愛らしさや、言葉でほめてくれるという性質もあるが、「担当者がコウペンちゃんの熱心なファンというケースが多い」(川上代表)。

るるてあさんには「大人になるとほめてもらうことがなくなる。大人として結果を出すのは当たり前と言われるが、当たり前のことをこなしていくのはすごいこと、プラスのこと」という思いがある。ささいなことに気づかせてくれるメッセージが、多くの人々の心に深く刺さり、ヒットにつながっているようだ。

ファンは若い女性から男性、子どもへも…

一気に広がったコウペンちゃんの人気。だが、まだまだ収まる気配はない。

ツイッターに投稿したイラストなどを元にグッズを商品化しており、販売店での評価は上々だ。初期からグッズを取り扱い、ポップアップストアやイベントも開催してきたロフトは、「定期的に新商品が登場して売れており、需要は強いと感じている。限定品は初日に購入される方も多く、在庫状況の問い合わせも多く寄せられている。客層は20代後半から30代の女性が中心になっている」(売り場担当者)という。

イベントには多数のファンが訪れる。最近は男性ファンも増えているようだ(写真:スパイラルキュート)

客層も徐々に広がりを見せている。2020年は1~3月に東京、埼玉、名古屋、大阪でコラボカフェを開催したが、男性客が増えたという。「以前は20~30代の女性が中心だったが、男性の来店も多く、1人で訪れる男性客も珍しくない。イベントでも男性客が増えている。また、多方面で露出が増え、女子小学生などに人気が広がっている」(川上代表)。

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