「廃業か自己破産か」経営者を悩ませる最大の問題 廃業するにも借入返済、廃棄工事のお金が必要

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加えて、コロナ対策で導入されたゼロゼロ融資(無利息・無担保の融資)について、今年夏から元本の返済が本格的に始まりました。多くの企業が返済資金を手当てするメドを立てられず、資金繰りに困窮しています。これが近年、とりわけ今年の夏以降、廃業を検討する経営者が急増している理由です。

さらに10月1日からのインボイス制度の導入で、廃業希望者が今後さらに増えることが確実だと言われます。

早期に廃業を決断することが大切

「廃業って、今やっている事業をやめるだけのことでしょ」と思う方もいるかもしれません。しかし、廃業には多くの難題が待ち受けています。とりわけ問題になるのが、借入金など負債の返済です。

会社が保有する資産が借入金を上回るという状態(資産>借入金)なら、資産を売却して借入金の返済に充当すれば円滑に廃業することができます。ところが、資産が借入金を下回る状態(資産<借入金)だと、廃業すると借入金だけが残ってしまいます。

多くの中小企業経営者が会社の借入金に個人保証をしているので、廃業すると借入金の返済が経営者に回ってきて、最終的に経営者は自己破産に追い込まれてしまいます。

つまり、「資産>借入金」という健全な状態のうちに早めに廃業を決断することが、極めて大切なのです。ただ、現実に多くの経営者は、ズルズルと決断を先延ばしにしてしまいます。

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