「廃業か自己破産か」経営者を悩ませる最大の問題 廃業するにも借入返済、廃棄工事のお金が必要

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写真はイメージです(写真:amadank/PIXTA)

いま、多くの中小企業経営者が、いつどのように廃業しようかと悩んでいます。

「事業承継が最大の課題」とよく言われますが、行政が主催する事業承継の無料相談会では「大袈裟ではなく、廃業の相談が事業承継の相談の7倍ある」(事業承継協会の内藤博・代表理事)という状態です。

今回は、廃業というあまり光が当たることない、今日の日本企業の最大の課題について考えてみましょう。

廃業を希望する経営者が急増している

日本では、経営者の高齢化が進んでいます。東京商工リサーチ「全国社長の年齢」調査(2022年)によると、全国の社長の平均年齢は63.02歳で、60代以上の社長の構成比が調査開始以来初めて60%を超えました。

高齢の経営者にとって、事業承継が課題です。一般に中小企業経営者は、自分の子息・親族・従業員から後継者を探します。黒字体質で将来性のある企業なら、後継者が見つからなかったとしても、社外から経営者を招聘したり、M&Aで事業を売却することができます。

ところが、全国の法人企業の約65%が赤字です(国税庁の「法人数等の状況」より)。赤字体質で将来性がない企業では、後継者を見つけることも、売却先を見つけることもままなりません。そのため多くの経営者が、「自分の代限りで廃業しよう」と考えます。

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