いい感じに生活のハリになっているようで、1日1回は冷蔵庫をチェックして「バナナはあるから大丈夫。牛乳はそろそろ買っておこうかな」とか「何か食べたいものある?」とか、買い物番長として立派に冷蔵庫まわりを取り仕切ってくれています。
リハビリを遊びにする工夫
「夫が病気になって、お世話が大変なのでは?」
最初のうちはそんな不安もあったのですが、今のところは発病前よりも家事の負担が減っています。
「買い出しチャレンジ」はそれからさらに「お料理チャレンジ」にまで進化し、買ってきたもので簡単な料理もしてくれるようになりました。指先の感覚がにぶいので包丁は使えませんが、3食入りのむしそばと、ソーセージ、カット野菜を買ってきて、フライパンで炒めて焼きそばをつくり、私に振る舞ってくれるようになりました。
その後、左手の小指を骨折したり、爪がはがれたり、猛暑に見舞われたりと、自転車に乗るには厳しい状況になったため、しばらく「買い出しチャレンジ」を休止していたのですが、9月から再開。現在は味覚障害が強く出ているので、買い置きはなるべくせず「今日食べられそうなものを今日買う」というコンセプトで買い物をしてもらっています。
同じマンションのマダムに近所のスーパーの割引シールが貼られる時間を教えてもらってからは、その時間を目がけて出かけていき、半額のお惣菜やお弁当を買って、ニコニコ顔で帰ってきます。
こうやって「一生夫の扶養でラクしたい」と思っていたぐうたらな私は、夫の病気がきっかけで大黒柱として文筆業をはじめることに。夫も、おかげさまで病状が安定し、現在は週に数日ですがテレワークで働けるようになりました。
絵に描いたような幸せな家庭とは言い難い状況ではありますが、それでも日常には幸せがちりばめられています。SNSで自慢できるような、大げさな幸せではないかもしれないけど、私たちらしく、小さく生きることを心がけてきたからこそ、今ここにある幸せ。何気ない日々を上機嫌で過ごせる尊さが身に沁みる、そんな日々を過ごしています。
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