老後の楽しみを一気に奪う「サルコペニア」の恐怖 健康寿命を延ばす「たん活」「貯筋」のススメ

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運動が苦手な人に僕が勧めているのは「ながら運動」。例えば歯磨きしながらスクワットをする。料理のとき、お鍋に火が回るのを待つ間にかかと落としをする。テレビの野球中継を観ていてチェンジになったらスクワットをする――と決めてしまうのです。

この「ながら運動」は高齢者だけでなく、忙しいビジネスパーソンの方にも有効です。通勤中に、電車の吊り革につかまった時にかかと落としをする。駅から会社に行くまでの間に「幅広ウォーキング」をする。お昼休憩のとき、少し遠回りをして「鎌田式ウォーキング」をして、レストランまで行く――。「ながら運動」を日常生活に上手に取り入れればだんだんと習慣化できて、今度はやっているうちに楽しくなってきます。

運動を続ける「コツ」

――運動が楽しくなってくるんですか?

運動を続けると「ドーパミン」という快感ホルモンが分泌されます。子どもがテストでいい点数を取ったときにほめてあげると、子どもが「もっと頑張っていい点数を取ろう」とうれしくなってもっと勉強しますよね。それがドーパミンです。

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僕はスポーツジムに通っていますが、50キロのバーベルを担いでスクワットができると、トレーナーから「50キロのバーベルを担げる70歳以上の人なんかいませんよ!」とほめられる。そうするとうれしくなって「50キロ以上の重さにチャレンジしよう」と思える。これもドーパミンの仕業です。

運動を続けるコツは、夫婦間でほめ合う、あるいは「オレ、すごいかもしれないな」と自分で自分をほめ、ドーパミンを出すこと。気づかないうちに運動が楽しくなり、習慣化していきますよ。

堀尾 大悟 ライター

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ほりお だいご / Daigo Horio

慶応大学卒。埼玉県庁、民間企業を経て2020年より会社員兼業ライターとして活動を開始。2023年に独立。「マネー現代」「NewsPicks」「新・公民連携最前線」などで執筆。ブックライターとしても活動。

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