老後の楽しみを一気に奪う「サルコペニア」の恐怖 健康寿命を延ばす「たん活」「貯筋」のススメ

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――サルコペニアになると、どういった支障が生じるのでしょうか。

サルコペニアになると、歩く、立ち上がるといった日常生活の基本動作に支障が生じ、転倒や骨折のリスクが高まります。そして、要介護の一歩手前の虚弱な状態である「フレイル」に至ります。サルコペニア、そしてフレイルを避けるためにも、日ごろの「貯筋」が70歳からの人生の充実度を決めるといってもいいでしょう。

――高齢者が人生を楽しむためにも「貯筋」が必要だということがわかりました。具体的にはどのように「貯筋」を実践すればよいですか?

「貯筋」には大きく2つの柱があります。「たん活」と「運動」です。「たん活」とは、「タンパク質いっぱいの食生活」のこと。タンパク質は、言うまでもなく筋肉をつくる材料です。しかし、高齢になるとともに食が細くなってしまい、タンパク質が不足しがちになると、サルコペニアに陥るリスクが高まります。

タンパク質を摂取する目安は、体重1キログラムあたり1グラム以上とされていますが、これでは今ある筋肉をキープするので精一杯。体重1キログラムあたり1.2グラム以上を目標としましょう。 60キログラムの人であれば72グラムですね。

「たん活」のイチオシは高野豆腐

――「たん活」のためには何を食べればよいですか。

肉・魚の動物性タンパク質が基本となります。動物性の油は生きていくうえでの活力にもつながります。僕の周りを見ても、90歳を過ぎても元気な人にはお肉が好きな人が多いです。共著者の生島ヒロシさんは、毎日肉と魚を食べる「ダブルたん活」を実践しています。

でも、お肉には脂肪が含まれるので、食べ過ぎずに植物性タンパク質で補うことも大事です。特に、豆腐や納豆などの大豆製品がお勧めです。

僕のイチオシは、高タンパクで低糖質の高野豆腐。高野豆腐には中性脂肪や悪玉コレステロールの上昇を抑える「レジスタントタンパク」が豊富に含まれているので、食後に血糖値が急上昇する「血糖値スパイク」も防いでくれます。

さらに、亜鉛、鉄、カルシウムといったミネラルも豊富。高野豆腐を 粉末状にした粉豆腐は小麦粉の代わりにもなり、僕はお好み焼きを作るときに使っています。間食が好きな人には大豆チップスもお勧めですよ。

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