韓国が「中国ファーウェイ製スマホ」で大騒ぎの訳 韓国がアメリカの対中制裁の対象になるリスク
中国の通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)が世間の意表を突き5Gスマートフォンの新機種を発表したことで、米中貿易戦争が第2ステージに突入した可能性がある。
2023年9月14日、アメリカは下院外交委員会委員長のマコーネル議員をはじめとする10人の共和党議員が、商務省宛に手紙を送付した。それは、中芯国際(SMIC)や華為に対し、より厳格な、そして全面的な制裁を加えるよう求めたのだ。
そのような中、華為の新機種の出現で、まったく想像しなかったことも発生した。韓国に「激震」が走ったのであった。世界各国の華為新機種に対する技術的なブレークスルーの議論を観察すると、韓国メディアでの取り上げ方が、おそらくはアメリカのそれよりもはるかに多いのである。
とくに注目すべきなのは、アメリカなど多数の国に比べ、韓国の報道では「恐れ」が見られる点である。韓国がアメリカの対中制裁強化に警戒する理由はなぜなのだろうか。
アメリカの対中制裁にほころびあり?
研究調査機関TechInsightsの分析によれば、華為のMate60 Proに使用されている部品の9割は中国のサプライヤーからのものだが、残りの1割の2つで「舶来品」があったと発表している。
製品コードはそれぞれH583TD64MとH25FTC0。前者はDRAM、後者はNAND型フラッシュメモリで、製造元は韓国半導体メモリー製造大手のSKハイニックスという。
SKハイニックスの半導体が発見されたが、どこに問題があるのか。2020年5月、アメリカはすでに華為を半導体供給におけるブラックリストに入れており、今回Mate60 Proの主要半導体製造元のSMICも対象となっている。
このブラックリストの管理は、アメリカの対外的な「外国直接製品規制」に依拠するもので、いったん企業がアメリカの輸出規制対象になれば、世界のいかなるところのいかなる会社でも、アメリカの設備や技術の使用を認めないとし、製品の提供を禁止している。
言い換えれば、華為は「原則上」では2020年からアメリカの技術が導入されているSKハイニックスの半導体を取得できないということだ。実際、SKハイニックスの副会長である朴正浩(パク・ジョンホ)はメディアから問われ、2020年5月にアメリカが華為への輸出禁止令が出た時点で、華為とはいかなるやり取りもないと語っている。
しかしながら今回、SKハイニックスのH583TD64M半導体が「見つかってしまった」のだが、公開記録によればすでに2021年に登場していた。当時TechInsightsがレノボの新型スマホLegion2 Proを分解した際に発見していたのだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら