「ペヤング事件」とは、いったい何だったのか 0.00025%の確率が問い掛けた教訓

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・2014年12月2日:消費者がツイッターでゴキブリ混入写真を投稿
・同年12月3日:消費者が保健所とまるか食品に連絡、まるか食品は消費者に写真の削除を依頼
・同年12月4日:まるか食品は混入の可能性が低いとしつつ対象4万6000個の自主回収を発表、同時に生産を止める
・同年12月11日:全工場の停止と販売休止を発表、大手スーパーなどが商品を撤去しはじめる
同年12月12日:流通業者からの返品が殺到する

 

わずか10日間で、小売店の棚からペヤングが消えていった。

まるか食品には本社工場と赤堀工場がある。今回問題となったのは本社工場の生産物だった。対象商品は「ペヤングハーフ&ハーフ激辛やきそば」と「ペヤングハーフ&ハーフカレーやきそば」の2種類だったものの、全国販売中だった24種類の商品の停止も決めた。品質上の問題はなしとしながらも、混乱を避けるためだった。

まるか食品がペヤングの品質管理を怠っていたわけではない。目視チェックはしていたし、監視カメラも設置し、金属探知機に加え、商品重量検査機も有していた。不良品対策には注意を払っていたし、また、それまでクレームと無縁だったわけでもないものの、致命的な健康問題を引き起こした歴史もない。いわば、典型的かつ実直な地方の食品メーカーだった。

一方で、それゆえに、まるか食品の対応のまずさを指摘する人もいる。問題となったツイッター投稿へは社員1人で対応しただけでなく、社長は姿を見せず、謝罪会見も行わなかったからだ。もっとも謝罪会見をすると逆効果になったり、事態を深刻化させたりする可能性があったとみる専門家もいるため、ここでは深追いしない。

高いリスクヘッジ体質と無借金経営

まるか食品は1929年に創業、もともと明星食品の下請け企業だった。下請けが主体だったまるか食品の悩みは、その薄利と生産数の不安定さにあった。

その突破口が商品の独自開発だった。まるか食品は1966年にカップラーメン「味の大関」を発売し、これをヒットさせる。そして若者向けのカップやきそば「ペヤング」を1975年に発売。ペヤングの商品名は、「ペアー(恋人)アンドヤングラーメン」に由来する。実際には、発表時に「ペアーアンドヤング」と発音できるお客がおらず、略されて、そこからペヤングとなった(「広告批評」1993年7月号より)。ヒットネーミングを外部からもたらされたペヤングが、ふたたび外部のツイッター投稿から窮地に陥るとは皮肉だ。

ペヤングの革新性は、その四角形パッケージにある。もともと屋台をイメージしたこの容器にあわせて、四角顔の芸能人をCMに多用するマーケティングが当たった。報道では、「東のペヤング」「西の日清UFO」といわれるものの、実態はその四角形ゆえに再下請けに出せなかったため、東日本しか供給できなかったという事情があるようだ。

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