オバマ夫人が告白、勝手に「レッテル」貼られる怖さ 大統領選でも経験、固定観念がある種の"真実"に

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そこから陰謀はやすやすと広がっていく。「政府が食べ物について指図するのを許されるのなら、次は何でしょう?」FOXニュースのコメンテーターは大げさに声をあげた。「結婚相手、働く場所まで決めはじめるのでは?」。

もちろん、どれも本当のことではない。でも、深く根を張ったステレオタイプにうそが支えられていると、そのうそははるかに消えにくくなる。それに、ステレオタイプを消し去るのはむずかしくてしんどい仕事だ。すぐにわかった。

あらゆるところに罠が仕掛けられている。ステレオタイプに正面から対処しようとして、フレンドリーで明るいインタビューで(2012年の《CBSディス・モーニング》でゲイル・キングと)それについて話しあうと、返ってきた反応の一例が下の見出しだ。

Mad as Hell Michell!
First lady: 'I'm NOT some angry black woman'

ミシェルが激怒!
ファーストレディいわく「わたしは怒りっぽい黒人女性ではない」

いつでもキレていると見なされることにキレてもいい? もちろんいいけど、そんなことをしてだれの役に立つの? そうすることで、どれだけわたしが強くなるの?

そんなことはしないで、わたしは気高く生きなければならなかった。

「気高く生きる」とは?

いろいろな質問を受けるなかで、何よりも頻繁に、かならずといっていいほど尋ねられることがひとつある。インタビューを受けたり、初対面のグループのなかに腰をおろしたりするたびに、ほとんど毎回だれかが手をあげてこんな質問をして、みんなが身を乗りだし、耳を傾ける。

“気高く生きる(go high)”というのは、どういう意味ですか?

この先何年もこの質問に答えつづけるのかもしれない。だから、ここで答えを考えてみたい。

初めておおやけの場で「相手が低レベルだったとしても、わたしたちは気高く生きる」ということばを口にしたのは、2016年にフィラデルフィアでひらかれた民主党全国大会でのことだった。

ヒラリー・クリントンが大統領選に出馬していて、ドナルド・トランプも出馬していた。わたしの仕事は、民主党支持の有権者を結集させること。参加をつづけ、必要な仕事をして選挙日には投票し、支持する候補者を当選させようと念を押していた。

よくするように、わたしはこんな話をした。ふたりの娘の親として、いまのさまざまな問題はわたしにとって重要だ。いつでもバラクとわたしの選択を導いているのは、価値があると娘たちに知っていてもらいたい原則だ。

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