認知症の名医が教える簡単10秒「脳」チェック 元気な脳にUターンできるグレーゾーンとは?

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毎日のちょっとした習慣を変えることで、認知機能の衰えをゆるやかにし、さらには健常な脳へのUターン(回復)への道が開けます。

「チューリップ、キツネ、ハトのテスト」を問題なくできたという人は、ひとまず安心です。

ただ先述の通り、認知症が発症する20年も前から脳の病的変化が始まっています。

ぜひこれをきっかけに、生活習慣の見直しをすることをお勧めします。

脳を元気にする生活を取り入れて

難しいことはありません。

たとえば、恋愛ドラマを見てドキドキするだけでも脳内ホルモンが分泌され、脳が活性化しますし、「回想法」といって、昔を思い出して語り合うだけで認知機能にいい効果があるという報告もあります。

認知症グレーゾーンからUターンした人がやっていること
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もちろん、食事、運動、睡眠など、日々の生活習慣の中にもそのヒントはあります。

地中海沿岸に位置する国(イタリア、ギリシャ、スペインなど)の伝統的な食事である地中海食を取っている人は、そうでない人に比べて、認知症のリスクが最大23%低くなったという報告がされています。

また、筋肉が動くときに分泌されるマイオカインという物質の中には、脳の神経細胞を増やす働きをするものが存在するという研究が報告されています。

国立長寿医療研究センターの研究では、75歳以上の人で見ると、23時以降に寝る人は21時から23時の間に寝る人に比べて認知症になる確率が約2倍も高かったと言います。

認知症グレーゾーンであるか否かにかかわらず、「最近、ちょっとおかしいなあ」と感じている方は、ぜひ「脳を元気にする生活」を取り入れてみてはいかがでしょうか?

朝田 隆 メモリークリニックお茶の水理事長・院長

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あさだ たかし / Takashi Asada

認知症の早期発見・早期治療に特化した「メモリークリニックお茶の水」理事長・院長。東京医科歯科大学特任教授。筑波大学名誉教授。医学博士。1955年島根県生まれ。1982年東京医科歯科大学医学部卒業。40年以上にわたり、2万人を超える認知症、および、その予備群である軽度認知障害(MCI=グレーゾーン)の治療に従事。認知症予防&治療の第一人者として診察にあたる傍ら、テレビや新聞、雑誌などで認知症の理解や予防への啓発活動を続けている。

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