認知症の名医が教える簡単10秒「脳」チェック 元気な脳にUターンできるグレーゾーンとは?

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頭頂葉は、空間認識や物の形や動きの認知をつかさどるため、この機能が衰えると、道に迷ったり、リモコンの操作ができなくなったり、服をうまく着られなくなったりします。

そして、とりわけ「回転させる」という動きが苦手になってきます。

ただし、このチェックには、ひとつだけルールがあります。

それは、必ずチューリップ、キツネ、ハトの順に試すこと。

実はこれ、簡単な順です。

頭頂葉の衰えを10秒でセルフチェックできる方法

私のクリニックでこの3つのテストを認知症グレーゾーンの方に試すと、半分ぐらいの方は、どこかのテストでつまずいてしまいます。

それでは、トライしてみましょう。

<チューリップ回転テストのやり方>
① 両手の親指と小指、手首をつけてチューリップを作ります。
② チューリップの形をキープしたまま両手を離します。
③ 左右の手をお互い逆方向に回転させて、左手の親指と右手の小指、左手の小指と右手の親指を合わせます。手を回転させる方法はどちらでも構いません。
(画像:『認知症グレーゾーンからUターンした人がやっていること』)

どうですか?

うまく手を回転させられましたか?

それでは、次は「キツネの回転テスト」です。

<キツネ回転テストのやり方>
① 左右の手で影絵のキツネの形を作ります。
② キツネの手をキープしたまま、左手の人差し指と右手の小指、左手の小指と右手の人差し指をつけます。
(画像:『認知症グレーゾーンからUターンした人がやっていること』)

この時、どちらかのキツネが自分の方を向き、もう片方のキツネが外側を向いている「逆さギツネ」になっているはずです。

しかし、頭頂葉の機能が衰えてくると、手を回転できずに、キツネが両方とも自分の方、もしくは外側を向いてしまうことが非常に多いのです。

<ハトの回転テスト>
① 胸の前ぐらいの位置で、両手の手のひらを開いて外側に向けます。
② 両手のひらが自分の方を向くように回転させながら、両手を交差させます。
③ 親指と親指引っかけて、ハトの形を作ります
(画像:『認知症グレーゾーンからUターンした人がやっていること』)

脳が健常な状態の人にはとても簡単に思えますが、このハトのテストも、認知機能が衰えてくると②の手のひらを返すことができなくなります。

ハトの形が作れたとしても、手のひらが外側を向いてしまっていることが非常に多いのです。

あなたは無事にクリアできたでしょうか。

もしあなたや、あなたの親御さん、ご家族が3つのテストのどこかでつまずいてしまった人は、認知症グレーゾーンの可能性があります。

ぜひ早期に、専門のクリニックを訪ねてみることをおすすめします。

それと同時に、「脳にいい生活」を心掛けましょう。

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