認知症の名医が教える簡単10秒「脳」チェック 元気な脳にUターンできるグレーゾーンとは?

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さらには、従来の報告によれば、4人に1人は健常な脳の状態にUターン(回復)できることが分かっているのです。

一方でそのまま認知症に進行してしまう人もいます。

つまり、ここが認知症の分かれ道。

認知症は、高血圧や糖尿病と同じように、長い時間をかけて認知機能が衰えていき、やがて発症する生活習慣病の1つです。

脳の病的変化は、認知症になる20年も前に始まる

「高齢になってから突然発症する病気」

「防ぎようがない」

と思われがちですが、実は、脳の病的変化は、認知症にいたる20年も前からが始まると言われています。

つまり、70代で認知症発症する人は50代から脳の変化が始まっています。

一方で、少し前までは、脳の神経細胞は成人後に増えることはないと考えられていましたが、現在は脳の神経細胞は年をとっても増えることが分かっています。

生活習慣病は、早期発見、早期対応が回復のカギとなります。

それは認知症でも同じこと。

しかし、現実はどうでしょうか?

認知症の患者は、最初に自分で「おかしい」と感じてから専門の医療機関を受診するまでに、平均4年もかかっていることが、世界的権威のある医学誌『ランセット』で2021年に報告されました。

その間に、病状はどんどん進行してしまいます。

どうかその「ちょっとおかしい」という感覚を大切にしてください。

もしそれが認知症グレーゾーンのサインだとすれば、健常な脳にUターンして戻ってこられる、最後のチャンスかもしれないのです。

そこで、脳の状態を簡単にチェックできるセルフチェックを用意しました。

「チューリップ、キツネ、ハトの回転テスト」です。

3つ合わせて10秒程度の簡単なテストですが、脳の頭頂葉の働きをチェックすることができます。

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