アンジャッシュ渡部「一筋の光」を追う仕事の現在 YouTube番組『渡部ロケハン』が凄いことになっていた
映像ディレクターのソマ氏、放送作家の西村氏とカツオ氏も実は渡部氏とガッツリ一緒に仕事で組んだ経験は少なかった。実際に現場で体感したのは渡部氏の人柄だった。
「はじめて仕事で密にご一緒しましたが、渡部さん、周囲への気遣いもすごくて、めちゃくちゃいい人なんですよ。カメラが回っていても回ってなくても。温かい人で印象が変わりました」(西村氏)
だからこそ演者・渡部氏の見え方には細部まで気を遣う。
「渡部さんが応援される番組を作ろうというのがテーマ。少しでも渡部さんが横柄な印象に見られないように、3人で話しながら注意しながらやってます」(カツオ氏)
渡部氏の武器といえば、「グルメ芸」と呼ばれる熟練されたグルメロケの話術と知識。西村氏ら百戦錬磨の制作人からしても、衝撃だという。
「言葉選びが月並みじゃないんです。たとえば、『テレビ映えはしないけど、中華の教科書1ページになる店』と表現したり、絶賛するわけじゃなくても、ちゃんと褒めるポイントが際立つようなコメントをされる」(ソマ氏)
「渡部さんは長年テレビで生き残ってきた人なので、番組が使いやすくて、かつ、お店の方が喜ぶ“グルメパンチライン”を知っている。テレビマンがテロップしたいワードも熟知されてますよ」(カツオ氏)
渡部氏のそんな技術が見えるのが、たとえば4月28日配信の堀切菖蒲園編で、町中華の店に入り、500円のラーメンを食し、「皆さんが想像しているそのままの味」「ど真ん中王道中華そば」と視聴者に脳内試食させるようなワードはまさしく“グルメパンチライン”ではないだろうか。
「飲食店の方々は、命懸け」
一時期、テレビ業界で「グルメ王」と呼ばれ、さまざまな番組で食レポを通してグルメの素晴らしさをプレゼンしてきた渡部氏にはある信念がある。
「飲食店の方々は、命懸けで経営されている。もしテレビで変な写り方をしてしまったら、一生の生活を脅かすことになってしまいます。だからいい加減なことはできない。テレビで食レポをやっている中でわかったことです。『どうすればこの店がよく見えるのか』『どうすればこの人が魅力的に見えるのか』という視点でロケに関わるようになりました」(渡部氏)
『渡部ロケハン』でも渡部氏は飲食店への敬意と配慮を忘れない。
「この番組は必ず美味しいものはフォーカスの仕方で『これがすごい』とわからせることができるし、一見、普通の店でもこういう角度で光を当てたらこの店の良さが出るっていうのは、心がけてますね。チャーハンを食べて、何が美味しいのかをきちんと言わないといけないですし、このメニューをこの値段で提供していることがいかにすごいのかも伝えないといけない。お店のいいところを見つけることなんです」(渡部氏)
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