アンジャッシュ渡部「一筋の光」を追う仕事の現在 YouTube番組『渡部ロケハン』が凄いことになっていた
たとえば、2023年6月23日に配信した埼玉・蕨市編では、これまで取材NGだった人気串揚げ屋の取材に「渡部さんだからですよ」という理由で特別に許可が下りた。
絶品串揚げに思わず渡部氏が悶絶するほど「うまい!」と叫ぶ内容に、YouTubeのコメント欄では「テレビの忖度なく地元のグルメと人情のありのままを魅せてくれるこのチャンネルが好き」「地上波のグルメ番組でこのクオリティーはないよ!飲食店の店主からの信頼が取材を成立させている」と高い評価を得ている。
いったいどんな経緯があってこの番組が始まり、どんな点が支持を得ているのか。今まで報じられたことのないその裏側を、この記事では解き明かしていく。
超人気放送作家の胸を打った渡部の覚悟
きっかけを作ったのは、『全力!脱力タイムズ』(フジテレビ系)、『千鳥の鬼レンチャン』(フジテレビ系)といった数多くのテレビ番組の構成を担当する超人気放送作家・カツオ氏だ。カツオ氏は、前出の『有田哲平の引退TV』に構成として関わっている。その初回放送にゲスト出演したのが渡部氏。「逆風の中でも前向きに頑張りたい」という渡部氏の想いに胸を打たれたという。
「実は以前、渡部さんが司会を務めた『ハシゴマン』(TOKYO MX)という番組に構成で参加していました。あまり直接会うことはなかったのですが、渡部さんがラジオで『カツオというやつがいる』と言って話題にしてくださったり、『有田哲平の引退TV』での接点があって、渡部さんの覚悟に感情移入してしまったんです」(カツオ氏)
カツオ氏が言うように、これまで渡部氏とは知り合いではあったが、深い接点はなかった。だが今の渡部氏を見て、思わず連絡したという。
「渡部さんに『僕がグルメ番組やったらMCなってくれますか?』とDMを送ったんですよ。すると『喜んでやりますよ』と返信がありまして、そこで西村(隆志)さんに相談しました」(カツオ氏)
西村隆志氏は、『テレビ千鳥』(テレビ朝日系)、『世界一受けたい授業』(日本テレビ系)など数々の人気番組を担当するテレビ業界の第一線で活躍する放送作家。スポンサーと番組をつなげる幅広い人脈にも実績があった。
その西村氏がひらめいたのは、「1社単独スポンサー」のアイデアだった。
「スポンサーをつけられるかどうか、企画会議をしました。いろいろと考えた時に、ただのグルメ番組では視聴者にも刺さらないので、1つのストーリーを乗せて作ることになりました」(西村氏)
西村氏には“腹案”があった。売れていない時期の渡部氏は『出没!アド街ック天国』(テレビ東京系)に出演するために収録前、事前にそのテーマとなる街に1人で出向き、何時間もロケハンと情報収集を行い、あたかも昔から知っているかのように番組収録に臨んでいた。そのスタイルを落とし込めば、多くの皆さんに共感してもらえる番組になるのではないか。
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