アンジャッシュ「渡部ロケハン」が盛り上がる必然 逆風の中で渡部&チームが見せる執念
テレビの世界で一世を風靡したお笑いのカリスマ・とんねるずの石橋貴明氏はかつて、自身が追求する番組の在り方について、このような名言を残している。
「テレビでいうと、見ている人が『これはこのサイズの枠から超えているよな』っていう、フレームから抜けている笑いにしたいんですよね。『うわっ、本当はもっとこれすげーんじゃねえの?!』みたいな。画面いっぱいじゃあ納得しない」
【「とんねるずは死にました」―戦力外通告された石橋貴明58歳、「新しい遊び場」で生き返るまで/Yahoo! JAPAN・RED Chair】
映像はテレビ、スクリーン、スマホ、パソコン……何かしらのフレームを通して我々に届けられる。そのフレームをはみ出るような面白い現場を作り上げることは、歴戦の強者たちであっても、そう簡単なことではない。
ある意味、奇跡のような番組を実現させるための要素がいくつかある。そのひとつが、「この現場、本当に楽しそうだな」「みんな、生き生きしているな」という高揚感を抱かせる番組だろう。
逆風の中スタートした『渡部ロケハン』
今年、YouTubeの世界からそれが出現した。『アンジャッシュ渡部がいつか地上波のグルメ番組に出ることを夢見てロケハンする番組』、通称『渡部ロケハン』である。
【この記事の前編:「アンジャッシュ渡部「一筋の光」を追う仕事の現在」】
渡部氏は2020年6月、週刊誌で自身のスキャンダルが報じられ、活動自粛に追い込まれた。1年8カ月の自粛期間を経て、2022年2月に自身のレギュラー番組『白黒アンジャッシュ』(チバテレ)で芸能活動を再開するものの、現在に至るまで、地上波ではそれ以外、復活には至っていない。
そうした逆風の中で今年4月26日にスタートしたのが『渡部ロケハン』だ。渡部氏がいつか地上波のグルメ番組に出ることを夢見てグルメロケハンを行うという趣旨のこの番組。登録者数は日々増加し(16万3000人/2023年9月26日現在)、本編動画は第5弾までの平均で45万回再生を記録している。
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