アンジャッシュ「渡部ロケハン」が盛り上がる必然 逆風の中で渡部&チームが見せる執念

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「渡部ロケハン」のロゴ

たとえば2023年6月9日に配信された千葉・本八幡編。元魚屋の店主が目利きした旬の魚が楽しめる居酒屋では、「拾い(いつもの店で買わずに市場の場内を巡っていい魚を買いつけること)を行うお店は名店のサイン」「現地に日本人スタッフがいる海外の養殖マグロは美味」「マグロの味は基本的に餌の味。大間のマグロはいいイカを食べているからうまい」といった世間的に思わず唸るような情報を織り交ぜた渡部氏のグルメ芸が炸裂。

「拾い」という業界用語について語る渡部氏(画像:アンジャッシュ渡部がいつか地上波のグルメ番組に出ることを夢見てロケハンする番組/YouTubeより)

ロケ中に偶然、アンジャッシュのコントが好きな素人に遭遇し、渡部氏が社員旅行のコントの冒頭部分を披露するなど、劇的な展開が繰り広げられ、55万回再生(2023年9月26日現在)を記録している。

番組を支える、ソマディレクターの執念と愛情

この番組の誕生の経緯についてはこの記事の前編でも触れたが、渡部氏に密着してロケから編集までを担当するのが、ディレクターのソマシュンスケ氏だ。

「渡部ロケハン」でロケから編集までを担当するディレクターのソマシュンスケ氏(写真左)

ソマ氏は、人気バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)や『有吉反省会』(日本テレビ系)を担当しABEMA、YouTube、舞台撮影まで、多岐にわたる映像ジャンルで活躍。今年4月に独立を果たした鬼才映像ディレクターである。

『渡部ロケハン』に関わる男たちはその貢献をこう表現する。

放送作家・西村隆志氏

「この番組を実現させているのは、もちろん渡部さんの実力ですが、ソマディレクターの異常な執念がすごいんですよ。業界歴20年の僕が見てきた中でも飛び抜けた映像制作へのこだわりを持っています」(放送作家・西村隆志氏)

ソマ氏とは『渡部ロケハン』が初対面だったという人気放送作家・カツオ氏は、

「ソマディレクターはいい意味で、ぶっ壊れてました(笑)。思いの丈を真正面からぶつけてくる“愛のバクダン”のようなVTRを見た時は驚きました」と語る。

渡部氏はもともとテレビで“いじられキャラ”的な立ち位置でもあり、『渡部ロケハン』でもよくソマディレクターにいじられている。ただ、ソマ氏はただ「いじり上手」というだけではない。『渡部ロケハン』で初めてソマ氏と知り合い、タッグを組んだ渡部氏も、

「最初の撮影のときまで、僕をいじりながら面白く描いてくれる人なのかなという感覚だったんですけど、実際に映像の仕上がりを見たらすごかった。この番組を支えているのはソマさんの執念と愛情が大きいです」と熱く語る。

ソマ氏が描く『渡部ロケハン』の世界観はグラデーションが豊かである。全体的に視聴者が癒やされるような音楽と、まるで居酒屋の手書きメニューのようなテロップの字体のコントラスト。渡部氏がかつて地上波バラエティで披露していた“告知芸”のシーンでは、番組を彷彿とさせるテロップに切り替えたりとディテールが細かい。

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