アンジャッシュ「渡部ロケハン」が盛り上がる必然 逆風の中で渡部&チームが見せる執念

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彼には映像ディレクターとしてのある流儀がある。

「映像制作に手を抜かないことです。YouTubeだと配信の1時間前などギリギリまで編集作業することもあります。パソコンでもチェックして、ささいな事でも気になったら修正します。僕は映画と音楽の影響を受けていて、たとえば音楽だと銀杏BOYZが好きです。ボーカルの峯田さんはアルバムを出すときに『これは一生残るけど大丈夫?』と確認したうえで出すそうです。僕も同じで、一生残るものに関して、恥ずかしい状態では世に出せない。あと渡部さんにも恥をかかせられないです」(ソマ氏)

「お店の方々にも少しはメリットがないと」

ソマ氏が特にこだわりを見せるのが、ツイサツ(追撮、ロケとは別日に追加で撮影を行うこと)である。

「僕らのロケはアポなしでやります。本当にガチでやっているので、どう転ぶかわからない。そこをカバーできるのがアポを取った後の追撮だなと2回目くらいから気がついたんです。ロケに協力していただいたお店の方々にも少しはメリットがないといけないという思いはあります」(ソマ氏)

ソマ氏による後日の「ツイサツ」に凄まじい執念が表れている(画像:アンジャッシュ渡部がいつか地上波のグルメ番組に出ることを夢見てロケハンする番組より)

たとえば、2023年8月4日に配信した大塚編で登場したスナックの場面。飲みのシメに日替わりで具材が違うというママ特製味噌汁が登場するのだが、別日に改めて訪れて、味噌汁を作っている工程を撮影していた。

2023年8月18日配信分の神奈川・白楽編で訪れた海鮮居酒屋でのシーンも印象的だ。特別に期間限定「渡部ロケハンイワシセット」(イワシ寿司、イワシ餃子、イワシのなめろう)をお店が採用すると、後日スタッフがお店に訪れ、メニュー表を渡しに行く場面が撮影された。このように『渡部ロケハン』ではロケでお世話になったお店や人へ細やかなアフターケアを欠かさない。

渡部氏の提案でできた「渡部ロケハンいわしセット」(画像:アンジャッシュ渡部がいつか地上波のグルメ番組に出ることを夢見てロケハンする番組/YouTubeより)

演者である渡部氏は、ソマ氏のこうした異常なまでのこだわりと執念について「ロケに出逢った皆さんへの愛情以外の何者でもない」と語る。

「僕はソマさんを“ツイサツの鬼”と呼んでます。実はツイサツはいくらでも手を抜くことができる部分です。でもスナックのママが少し感じ悪く映っているから改めて後日撮るとか、お寿司屋さんに渡部セットのメニューを持っていこうとか、ロケで出逢った皆さんに対するソマさんの優しさと愛情があふれているんですよ」(渡部氏)

ソマ氏の映像制作はまるで、料理の名店のように仕込みから完成まで手間暇を要する。予算的にも実現は容易でないのだが、実はそれをある程度可能にしているのが、スポンサーをつけたYouTube番組に仕立てた、渡部ロケハンチームの力技だ。

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