アンジャッシュ「渡部ロケハン」が盛り上がる必然 逆風の中で渡部&チームが見せる執念
『渡部ロケハン』は、CHILL OUTというリラクゼーションドリンクの1社提供スポンサー番組として成り立っている。前編でも紹介したとおり、それを実現したのは西村氏だ。
その背景には、こんな考えがあったという。
「ソマディレクターがものすごく映像制作にこだわりが強い。時間も使うし、編集費もかかる。どうしてもお金が必要なので、YouTube収益だけで考えるとちょっと厳しいと考えました。そこでスポンサーに提供してもらうというスタイルを考えました」(西村氏)
渡部さんが笑っている顔を使いたい
ソマ氏の技術は、逆風の中にいる渡部氏の“適度な見せ方”という点でも光っている。
ソマ氏は映像の中で、あの手この手で渡部氏をいじったり、ボケて渡部のツッコミ待ちをしたり。『渡部ロケハン』における渡部氏の“タッグパートナー”としての押し引きを展開させている。
そのほどよい塩梅が、『渡部ロケハン』全体を多くの視聴者にとって、より親近感のあるものに昇華させている。
「渡部さんより、ソマディレクターのほうが偉いように映るくらいがいいんです。渡部さんが『アメトーーク!』で有吉弘行さんやザキヤマさんにいじられるスタンスをここでも実現できたら一番光るのかなと。ソマディレクターの温かい声で、渡部さんをチクっといじるのがいいんです」(カツオ氏)
「一方で、ソマディレクターは芸人ではないので、あまりやりすぎると『なんだこのディレクターは!』となる。やりすぎるとたぶん寒い感じにもなりますから、その塩梅をアドバイスしたりしています」(西村氏)
『渡部ロケハン』は、番組スタッフがサブキャラとなり、渡部氏がカメラ撮影の照明を手伝ったり、ロケ前に全員で円陣を組んだり何かとチーム感が強いのも特徴だ。
以前、こんなファインプレーがあった。ピザとピッツァの違いについて、周囲を置いてけぼりにして熱弁をふるう渡部氏から、カメラが少しずつ後退していき、話題からフェードアウトしていくのだ。
爆笑を生んだこのシーンは『渡部ロケハン』チームの絶妙なコンビネーションから生まれていた。
「テレビでコメントを喋っている途中で切る、カットアウトという演出があるのですが、渡部さんはそれがあまり好きじゃないらしいんです。自分が必死で喋っているのに、さらっと切られると傷つくようで。そこで、ちょっと違うやり方で、カメラがどんどん遠のいていこうかと。あの日、ソマディレクターとカメラマンのTシャツを引っ張ったら気がついて、離れていってくれたんです」(西村氏)
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