「中2で学校を辞めた男性」が編集長になるまで 「不登校の子」が集まるフリースクールという場
代:『学校に行きたくない君へ』(ポプラ社)で「大人になってからも、たくさん失敗する」と石井さんが書かれていたのが素敵だと思いました。苦しい思いをしているときは、「自分なんて……」と、どうしても劣等感を抱いてしまいます。しかし、実際には大人になってからでも失敗はたくさんします。「それでも、大丈夫。それでもいい」と石井さんが言ってくれているように思いました。
石井:伝わりづらいかもしれませんが、今日も収録の時間を忘れていて、代さんからの電話を受けてようやく気がつきました。いただいていたメールがどこにいったかもわからなくなって、本当にバタバタしていました。日々、現在進行形で失敗しています(笑)。
不登校のまま生きていてもいい
石井:『不登校新聞』は、名前から「学校に行けるようになるための新聞」だと勘違いされることが多いですが、そういうことは一切していません。学校に行かない人、あるいは学校に行かない人の親が読んで「不登校のまま生きていてもいい」と思ってもらえるように、不登校中の生活をより良くするような、共感にあふれた新聞作りを目指しています。そして、学校で苦しんでいる人が安心できる社会をどうしたら作れるかを考えながら作っています。
著名人の方にも出ていただいています。不登校経験者が多いですが、不登校になっていない方にも、不登校当事者の取材を受けて答えていただいたりしています。完全にノーギャラです。
不登校経験者ではない中で取材を受けてくださった方には、辻村深月さんや坂上忍さんがいらっしゃいます。取材中、不登校している子が「坂上さんのような大人になりたい」と言ったのを聞いて、私も驚きましたが、坂上さん自身はもっと驚いていて「え、俺に? 俺はやめたほうがいいよ!」とおっしゃっていました(笑)。不登校経験者で言えば、中川翔子さんや俳優・モデルのゆうたろうさんなどに出ていただいています。
代:2023年の今年は、「不登校動画選手権」を開催されたそうですね。『不登校新聞』の活動や『学校に行きたくない君へ』には、きっとヒントになる何かがあると思います。身の回りには同じような経験をした人や共感してくれる人はいないかもしれないけど、範囲を広げてみると実はいる、ひとりぼっちじゃないんだということを実感していただけたらなと思います。
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