過去50年で最大、ネス湖捜索で「不思議な音」の謎 調査団のトップが語った「音」の正体とは?

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大捜索の初日はあいにくの悪天候だったが、2日目は打って変わっての晴天。この日は現場のボランティアも多かったようだ。

マッケナ氏は両日ともボートでネス湖最深部の水中マイク調査を行うほか、2日目は湖上調査を早めに切り上げ、ボランティア観察スポットを回って彼らと話をしたという。

残念ながら、今回の捜索ではネッシーは見つけられなかった。

録音し損ねた不思議な音

少し意地悪かなと思ったが、いくつかのメディアでも取り上げられた「水中マイクから4回ほど不思議な音(ノイズ)がしたが録音するのを忘れた」事件の真相について聞いてみた。

「弁解するわけじゃないけれど、あれは大捜索の前日の話で、ドキュメンタリー制作チームと機材をテストしていたときの出来事なんだ。水中マイクがちゃんと聞こえるか試すのが目的だったから、録音装置はオンにしていなかった。素人のミスと言われれば、確かにそうだ。水中マイクを使うなら、どんなときも録音装置をオンにするべきという教訓になったよ」

その音は、今まで耳にしたことのない実に奇妙なものだったという。「あんな音に出くわしたのは初めてだった」。

「『ザ・クエスト』では、ネス湖センターが所有しているソナー搭載の観光用ボートを使わせてもらい、初めて水中マイクをネス湖の最深部で使うことができたんだ。本番の2日間、同じスポットで水中マイクを使ったけれど、あのような音は二度と聞こえなかった。あとでいろいろ考えたけど、あれは湖底からガスが抜け出す音だったのかもしれない」

「ザ・クエスト」が毎年の恒例イベントになるという噂は事実だそうだ。ただそれは2025年からとのこと。来年は「ものすごくエキサイティングな企画」が予定されているが、詳しいことはまだ公表できないそうだ。

当面の目標は、調査専用のボートを購入するため、クラウドファンディングで資金を集めること。LNEのウェブサイトを立ち上げること。そして、ネス湖をいくつかの区画に分けて水中マイクで収音し、音のデータベースをウェブサイトで公開すること。

ネス湖について語るマッケナ氏からは、熱い情熱が伝わってくる。配偶者のキムさんはネッシーの存在をまったく信じていないものの、ネス湖に対する彼の情熱を深く理解し、活動を陰で支えてくれているという。

ネス湖の魅力はネッシー伝説だけじゃない。「ネス湖の探求者」は言う(写真:筆者撮影)

「ネス湖を一度でも訪れたことのある人ならわかるだろうけど、この湖には何とも言えない神秘的な美しさがある。ネス湖特有の自然現象が人々の目を騙すことがよくあって、『ネッシーの写真』とか『未確認生物の動画』と騒がれるものの多くは、説明がつくものなんだ」

ネス湖の謎を解くには、ネス湖を深く理解する必要がある。だから、今後も忍耐強く、地道な調査を続けていくという。

ケリー狩野 智映 フリーランスライター、コピーライター、メディアコーディネーター、翻訳者

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けりー・かのう ちえ / Chie Kelly-Kano

海外在住通算29年のフリーランスライター、コピーライター、メディアコーディネーター、翻訳者。2020年よりスコットランド・ハイランド地方に居を構える。ウイスキー愛好家で、ウイスキーの聖地スコットランドでの生活に至上の喜びを感じている。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員。

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