今年初め、フェルタム氏から「今改装工事中の『Loch Ness Centre(同:ネス湖センター)』に君のことを話したから、近いうちに連絡が来るよ」と知らされた。そして彼の予告どおり、数日後にネス湖センターの運営会社から電話があり、ミーティングをもちかけられた。
ミーティングはZoomでのリモート会議だったが、そのとき先方からLNEの活動に少しの資金援助をしたいとの申し出があった。
「LNEの活動経費はすべて自腹で賄っているから、本格的な調査に必要な機器はなかなか手に入れることができない。だからこのようなオファーは願ってもない話だった。ネス湖センターからの資金援助のおかげで、超高感度の水中マイクを購入することができたよ」
ネス湖大捜索の舞台裏を語る
今回のネス湖大捜索は、6月にオープンした「ネッシー博物館」こと、ネス湖センターのPR活動の一環として実施されたイベントだが、もともとのアイデアはマッケナ氏のものだったという。
「ネス湖センター代表者とのZoom会議で、スティーブ(フェルタム氏)やエイドリアン(シャイン氏)やLNEは、独自に観察・調査を進めているけれど、僕の理想は『ザ・クエスト』という旗印の下で、力を合わせて調査活動を行うことだと説明したんだ。それが今回の企画の出発点だった」
やると決まったのは、開催日の3カ月ほど前。大急ぎで地元自治体や警察当局などと連絡を取り合い、猛スピードで準備を進めた。
マッケナ氏は、このイベントがこれほど世界から注目されるとは夢にも思っていなかったという。
「最初は地元の新聞で取り上げられるくらいかなとしか考えていなかったから、日本やアメリカ、ドイツ、スペイン、そしてキューバの報道陣が駆けつけてきたのを目の当たりにして、本当にびっくり仰天だった」
「ザ・クエスト」の前は900人弱だったLNEのフェイスブックグループのメンバー数は、イベントを機に2200人を超えた。登録者はネッシーファンだけではなく、懐疑派や否定派もいた。本気でネス湖のミステリーに興味を持っていて、お互いを尊重し合うなら、誰でも歓迎するというのがLNEの方針なのだ。
そして世界が見守る中、大捜索が始まった。
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