「古文は役に立たない」と思う人の"大きな誤解" 学生時代に勉強を疎かにしているとどうなるか

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昔日本人が使っていた言葉や文章を勉強することで、今日本で使われている言葉や、文法や、文章全体が、より深く理解できるものだから、古文は勉強する意味があるのです。

例えば、一つクイズを出しましょう。

現代において、物事が終わる時に「けりをつける」という言葉を使うことってありますよね。「Aさんとの関係にけりをつけてきた」みたいな感じで使いますね。

では、この「けり」って一体どういう意味なのか、みなさんは知っていますか?

これは実は、キックという意味の「蹴り」ではないんです。古文を勉強したことがある人なら、助動詞で「けり」という言葉があるのは知っているはず。古文の勉強でもよく、文章の中には、「〜にけり」のように、言葉の終わりに「けり」をつけることで「文の終わり」を示しているものがあったはずです。

実は、今でもその名残で「けり」=「終わり」という意味で使われていて、「けり」をつけるというのは「文章の終わりをつける」という意味になるのです。

だからこそ、「けりをつける」というのは今でも「決着をつける」「結論を出す」という意味の表現として使われているのです。これを知っていれば、「けりをつける」という言葉を間違って使うことはなくなりますし、この言葉をより深く理解できるでしょう。

このように、古文を勉強すれば、現代の言葉を知ることにも繋がるのです。

あなたは小学生ですか、と聞かれたらどう解釈?

また、たとえばみなさんは、「あなたは小学生ですか」と言われたら、どのように解釈しますか?

まず考えられる解釈としては「質問」があると思います。12歳くらいの親戚の子供に対して、「ねえねえ、君は小学生かな? 中学生かな?」ということを聞いている場面で、「あなたは小学生ですか」と聞くと思います。

もう一つ、考えられる解釈があると思います。例えば会社で、ミスをした自分を上司が怒ってきています。「こんなミス、小学生でもなきゃしないだろう!」という意図で「あなたは小学生ですか」と言うことがあるでしょう。このような、答えがわかり切っているけれどあえて疑問のように聞くことで、強く相手にメッセージを伝える用法のことをなんというか、みなさんはわかりますか?

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