「古文は役に立たない」と思う人の"大きな誤解" 学生時代に勉強を疎かにしているとどうなるか

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正解は、反語です。古文でも漢文でも、反語表現というのはよくあるものです。

整理すると、「あなたは小学生ですか」には2つの解釈があります。

A 相手に対して「小学生かどうか」を質問している、『疑問』の表現
B 相手に対して「あなたは小学生じゃないだろう。それなのに、小学生でもできることができないというのは良くないことではないか」と怒ってきている、『反語』の表現

この反語という表現をきちんと理解するためには、古文の勉強をしておいた方が頭に入りやすいです。

なぜなら、古文の世界では、反語を表す助詞が存在していて、「その言葉が使われていないと基本的には反語や疑問にならない」という原則があるからです。

「この『や』が使われている場合は、反語になる場合が多い」

「『かかるようやはある』と言ったら、『このようなことがあるだろうか、いやない』という反語表現になる」

ということを、古文では勉強します。そして、この反語の表現が、特定の言葉を使わなくても使えるようになっているのが、現代語なのです。先ほどの「あなたは小学生ですか」は、反語の表現ですが、古文のように「反語を表す助詞が存在しているから反語だとわかる」ということではありません。完全に文脈で判断しないといけないのです。

古文を疎かにするとどうなるのか

何が言いたいのかというと、現代語の方が、古文より難しいのです。昔はしっかりと助詞や助動詞を使って表現されていた言葉が、今はもうそれを使わなくても表現できるようになってしまっていて、昔より日本語が難しくなってしまっているのです。

ここで一つ、想像してみてください。もし、古文の勉強を一切しないで、現代の言葉だけを勉強していて、「質問の形になっている表現で、答えがわかり切っていることを聞いて、『〜だろうか? いやない』なんて訳す場合がある」と習ったとして、使いこなせるでしょうか? おそらくは、多くの人は使いこなせないと思います。(ちなみにこの「使いこなせるでしょうか?」も反語です)

これは言い過ぎかもしれませんが、古文の勉強を疎かにしていたことが原因で、反語表現を理解できていないまま大人になっている人って、多いのではないかと思います。

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